らくだい魔女と魔界の王族part2＊復活の王編＊

真実 ページ19

＊*


｢ええ。二人。だって人格を二つにしたのは私ですから。｣


その声が無情にも響く


｢い、今なんて···｣

｢そのまんまの意味です。私が彼らの出産に少しばかり手を出しただけです。｣


ドクンと、心臓が早鐘を打った。


｢だって、二人もアベルの血筋が増えられては、困りますから。｣

｢元より彼らは双子。私が魔力を抑えるように魔法をかけたら、その影響が、人格へと出たのでしょう。｣


　淡々と告げられる真実。唯一の救いだったのはレンが眠っていること。

　彼が知ったら、我を忘れて暴れるだろう。

　だが、許せない。レンはずっと、二重人格をこんプレックスに思っていたのに。

　こんなやつの私情で、人生めちゃくちゃにされてるなんて、あたしじゃ耐えらんない。


｢ふざけないで···｣


　ゴォｯと、あたしの回りに炎があがる。


｢おやおや、すぐに感情的になるあなたに、魔界の王が務まるのか？｣


　コトリは、自分の方が、よっぽど王に向いていると、言うようにあたしを見下す。


　｢慧典術(えってんじゅつ)、慧眼(えげん)。｣


　後ろから、ボソッと声が聞こえた。

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