第六十一話 ページ20
・
次の日。私が上杉くんや前田くん達と話していると、廊下から物凄い足音と大声が聞こえてきた。
………これ、龍造寺くんだな。
「大変ばい!!!」
予想通り、教室に急いで入ってきて大声をあげたのは龍造寺くんで、あまりのうるささに隣の秀吉くんが文句を言っている。
と、同時にみやびちゃんと、美術の居残りをしていた信長くんが帰ってくる。
「どうしたんだよ」
「家康が……新しか旗印ば立てたて!」
『ぁ……』
その名前に思わず反応してしまう。
先日、彼と知り合いだったことを思い出してしまってから、その気まずさに私は彼を徹底的に避けている。
もしかしたらそれがバレて逆上して私に旗印立てた…とかじゃないよね、流石に。
皆がザワつく中、隣の上杉くんが私を見て「大丈夫?」と声をかけてくれる。
多分、昨日のことを気にかけてくれているんだろうな……気を遣わせてしまったことに申し訳なく思いながら口を開く。
『心配してくれてありがとう……でも、私は大丈夫だよ』
「…なら良いんだけど……何かあったら言うんだよ」
本当に何処まで優しいんだろう。惚れそうになるよ、もう惚れてるかもしれないけど。
優しい微笑みに心が温まるのを感じながら、私も微笑み返して感謝を述べる。
「相手は?」
秀吉くんがそう尋ねた瞬間、黒板が切り替わって、魔村さんが映った。
「家康くんが出した旗印はこちらです」
そこには私達を指差す彼の横に「誰かを倒す」の文字が。
だ、……誰かを倒すって何??
ていうか旗印って人を指名しなくても良いんだ……それもある意味策となるってことなのかな。
「それでは旗印戦、開始!」
「早い話が無差別攻撃ってことか……」
「あの野郎…」
「考えたなぁ、家康」
「…とゆーことは?」
秀吉くんがススス、と黒田くんの机へ移動すると、彼は起き上がって口を開いた。
「誰を狙うか明かさなければいつ狙われるか分からない。つま」
「つまり!戦に備えにくい」
ああ、黒田くんまた取られてる。もはや黒田くんへの同情よりそれを楽しみにしている私がいる。
286人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
moka(プロフ) - a-yaさん» 何と嬉しいお言葉...!!私なんかの作品を何回も読み直して頂けてるなんて凄く嬉しいです🥹✨️相変わらずのゆっくり更新ではありますが少しずつ話を進めていきますので暇つぶしにでも読んで頂けたら嬉しいです🥰 (11月20日 21時) (レス) id: 29521248bc (このIDを非表示/違反報告)
a-ya(プロフ) - この作品めちゃくちゃ面白いです!何回読み直しても楽しめます❤️これからも応援しています! (10月15日 16時) (レス) id: 672b289667 (このIDを非表示/違反報告)
moka(プロフ) - さらさん» わー😭💓いつもドキドキしながら更新してるので面白いと言って下さって物凄く嬉しいです…!これからもさら様をキュンキュンさせられるよう頑張りますね🥰それに2回もコメントありがとうございます!気持ちだけでもとても嬉しいです✨ (2022年10月3日 18時) (レス) id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)
さら - ホントにいつもたくさんの更新ありがとうございます!!番外編も凄く面白かったです!!榊原くんも格好よかった!!上杉くんにもキュンキュン来てます!!私も星いっぱい押したいくらいです!!でも1つしか送れない!!気持ちはたくさんです!! (2022年10月3日 9時) (レス) @page23 id: f9b4a84be1 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - mokaさん» 届いていたみたいで安心しました🥺 私なんかの小説で清正くん好きが増えているなんて……! 感激です😭 本当に本当に、ありがとうございます! 清正くん出てきたらいいね200回くらい押しますね🥰 (2022年10月2日 22時) (レス) @page23 id: bd8f0e2e75 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:moka | 作成日時:2022年9月28日 13時