第1章. 成長の条件 ページ2
本当なの？と視線を向けると私の方に歩み寄っていた1人がこくりと頷く。
学校の授業くらいでしか知らなかったが、まさかこんなに小さいとは。
「彼らの解明に協力するなら援助金だって住まいだって惜しまないつもりだ」
『……連れて帰って観察しろ、そして報告しろと？』
「流石、物分かりがいい」
こんな話お断りだ。
いくらお金が貰えようとも彼らが安全なんていう保証は何一つ分かっていないのだ。
「あぁ、彼ら、危険性は全くと言っていいほどないから」
『…え、研究されているんですか』
「うん、寄生人は宿主がいないとダメだからね、それはもう宿主のことを大切に大切にしてくれるさ」
あぁ論破されてしまった…。
断る理由が何一つ無くなってしまいノートを手に、彼らと共に家へ帰ってくる。
子供とはいえ窮屈だろう、そこはさっき言ってた支援でなんとかしてもらうのだが…。
『さて、どうするか…』
どうやらコミュニケーションが取れないのかもしれない。
さっきから名前やら好きな食べ物やらを聞いているのだが総ガン無視(こちらも見てくる子もいるのだが)。
しかし、はいかいいえで答えられる質問には首を振ったり頷いてくれたりする。
最初から困った事になってしまい1人ご飯を口に運ぶ。
彼らにスプーンで掬って口の前に移動させたが彼らは全員首を振って食べようとしなかった。
『どうやってご飯を食べるんだ…』
1人呟くように言った言葉をちゃんと彼らは拾ってくれていたようでその内の1人がノートにペンを走らせる。
成る程、筆談か！
そっと後ろから覗くと文字ではなく、独特の絵が創造されていた。
『…これは、芸術的だな…』
更に困った事になってしまった、この絵を解読しなくてはならない。
困り果てているとふいに服の袖を引っ張られて振り向くと金髪に火のような目を持つ少年が立っていた。
私の手を指差されて不思議に思うままに彼に手を差し出すと彼は初めて笑って私の指を口の中に入れた。
数秒、何かが私の指を通って抜けていくような感覚に陥って、お腹がくぅ、と鳴った。
さっきご飯を食べたばかりなのに、お腹が少し空いている。
…手を差し出したのは果たして寄生を許したのに判定されるかどうか微妙だが…。
『…寄生って体乗っ取る訳じゃないんだ…』
「まんがのよみすぎや」
目の前の彼はニンマリと笑った。
▽
-memo-
・寄生人は腹を満たせば少し成長する。
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ハッピー(プロフ) - レイさん» いえいえ、お役に立てて良かったです！ (2020年11月24日 21時) (
レス) id: 45915405f4 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - ハッピーさん» やっぱり公式の方でログインしてない状態じゃないと読めないですよね返信ありがとうございます (2020年11月24日 21時) (レス) id: 409dd9da63 (このIDを非表示/違反報告)
ハッピー(プロフ) - 私公式のアプリの方から読んでるんですけど、公式じゃなくて、ネットで調べてログインしてない状態からだったら読めました (2020年11月24日 20時) (レス) id: 45915405f4 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - すみませーん2の方見れなくなってたんですがなにかわかる方いらっしゃいますか？ (2020年11月24日 19時) (レス) id: 409dd9da63 (このIDを非表示/違反報告)
をん - Rですね？入れましょう(決定) (2020年11月23日 21時) (レス) id: 9266b0967c (このIDを非表示/違反報告)
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