ここはロマンス大通り【ars】 (ページ4)

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「だよね...反省してる...」

雅紀はオレが怒鳴ったからか、シュンとして

完全に八つ当たりだったオレも慌てて「言い過ぎた」って頭を下げた。

「で...、その女友達？とは、その後どーなのよ」

訊くと、雅紀は顔を上げてあの無駄に穏やかなイケメンスマイル。

「何かね、運命共同体の絆が強くなった気がする」
「何それ」
「元々秘密を共有してる仲間、ってゆーか...そんな関係だったんだけどさ」

あー...、お互いの好きな人を知ってる仲間って事ね。

「体から始まる恋ってあるけどさ」
「は？やっぱヤッたのかよ！」
「違う！してない！してない！...だけど、ほーんのちょっとだけ友達の域を越えちゃったから...」
「...ふーん、で？」
「そーゆー事しちゃって深まる友情ってのも、あるんだなーって思った。男女の友情はあるよ」

オレは雑誌をポイッと放り出して、ソファから立ち上がりキッチンへ歩いた。
雅紀は不安げにオレを目で追ってる。

「コーヒーでも飲む？」
「うん！」

コーヒーだってー、ってクロに嬉しそうに話し掛けてる雅紀に

「本当に、その友達に恋愛感情はねぇの？」

そう訊いたのは、雅紀がライバルになるのは勘弁して欲しいって思ったから。

頼むから、同じ人を好きにならないで欲しいって思ったから。

「無い。...って言ったら酷いかもしんないけど...」
「.....」
「もし少しでも恋愛感情があったら、我慢出来なかったと思うんだ。最後までヤッちゃったと思う」

マグカップを2つ持ってソファに戻って、雅紀に1つ渡す。

「だけど、これ以上はダメだ！って思ったの」
「うん。で？」

熱いコーヒーを啜りながら、そんなに興味無いけどーって顔をしながら続きを促す。

「これ以上ヤッちゃうと、もう元には戻れないな...って。俺、友達で居たいのに...って思った」
「...ふーん」
「俺、この子とはずっと友達で居たいって思ったんだよ」

雅紀もコーヒーを啜ると「あちっ」って目を閉じた。

バカ正直で、嘘がつけない奴だからその言葉に嘘は無いはずだ。
だったらそれを信じて、オレもバカ正直になってやる。

Aを好きになんなよ！？ってゆー圧力でもあるけどね。

「雅紀、オレお前にまだ言ってない事があんの」
「え？」
「オレ、好きな子いる」
「えっ！？誰、誰！？」

・

まぁ、一人前になるまでは告白しないって決めてたオレはその後も結構振り回される訳で。

オレの憂鬱な日々は、あともう少し続くって訳。

・・・END・・・