今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:27,395 hit
小｜中｜大
SideStory -5 ページ27
.
「ねぇ先生、花火上がるってさ」
「別に二宮先生は来なくていいですよ」
「いや行くよひでぇぞ松本」
「ほら先生も潤くんも、早く早く」
白いたんぽぽの綿毛のような綿菓子を二人で間食した後幼馴染たちはたこ焼きを食べ焼きそばを食べ、唐揚げを食べ。
ヨーヨー釣りで俺にヨーヨーを取らせ、射的でぬいぐるみを取らせた。
愚かな男の性というもので少女が「ねぇ二宮先生、取ってよ」と俺を見上げるだけでやる気になってしまうのだからどうしようもない。
言っておくけどそうお願いする少女は決して可愛らしく小首をかしげたりしたわけじゃない。
俺の嫌味にポンポンと言い返すいつもと同じそいつの顔で取れるの？とでも言いたげな声で。
生意気に俺を見上げる少女がしかし可愛く見えてしまうのだからもう仕方がない。
この可愛くない少女を可愛いと思う人間はこの世に俺と松本と、あと何人いるんだろうか。
翔ちゃんはどっちかな。
まぁ翔ちゃんのことだから可愛いと思ってたって「自分で取れ」とか言ってごまかしそうだけど。
そうして手にしたヨーヨーを手首にはめたまま射的で撃ち落とした小さな犬のぬいぐるみを胸に抱えて少女は松本と俺の間を歩く。
「もう一個綿あめ食べようかなぁ」
「え、今から？もう花火はじまるぞ」
「何となく食べたくなってきた」
境内の隅で三人固まって花火が始まるのを待つ間。
少女は唐突に言った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 226人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：iCHiKA
| 作成日時：2020年6月6日 16時
