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母が死んだ。
母の母ーーつまりは私の祖母であるアンドロメダ同様あまり体が強くなかった母は、やはり祖母と同様病でこの世を去った。
純血一族にはままある政略結婚ではなく恋愛結婚だったらしい父は、母の死をそれはそれは悲しんで、けれども一族の当主らしく毅然とした態度でそつなく葬儀を執り行った。
母は古くからの純血の血筋だったけれど、父が当主であるグレイ家は一応純血のくくりではあるものの聖２８一族には含まれてはおらず、その上純血主義ともマグル寄りともどっちつかずの態度を昔から貫いていたらしく、日和見主義だと揶揄されることもあるらしい。
純血であった母の葬儀には純血の、それも純血主義の魔法使いが多く来たため、家のためにも半端な応対をするわけにはいかなかったのだろう。
早くに病死したという祖母はともかく、ごりごりの純血主義であるあの曽祖母がよくそんな結婚を許したものである。
「ソフィア」
「なに？お父さん」
母が亡くなり、少しやつれた父は僅かに微笑んだ。唯一私に似ていると母が言った青みがかった灰色の瞳が細められる。
「お父さんのホグワーツからの友人におまえと同じ年の息子がいてね。奴は魔法省に勤めているからなにかと忙しくて、今までなかなかタイミングが合わなかったんだが、丁度いい機会だから会わせてみないかという話になってね。無理にとは言わないが、どうだい、会ってみるかい？」
「お父さんの……その人もレイブンクロー？」
「いいや、違うよ。ホグワーツでは寮の垣根を超えて友人ができることもあるものだ」
「……おばあさまは、レイブンクローは多少ましだけど後の２つはスリザリンに遠く及ばないって」
「彼女は……まあなんというか、少し極端な考え方をしているからね。……それで、どうする？」
「……」
父は純血主義ではなく、純血主義である曽祖母とはやはり相容れないようだった。急に友人の息子と会わせようとしたのもきっと、母親がいなくなり、曽祖母からの干渉が増すであろうひとり娘を純血主義の考え方から遠ざけるためなのだろう。
もちろん否やはない。むしろ願ったり叶ったりだ。頷けば父はいくらか安堵したように「そうか」と笑った。
「お父さん、その人の名前は？」
「ああ、エイモス・ディゴリーだ。その息子はセドリック。きっと仲良くなれるさ」
「…………セドリック・ディゴリー？」
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燃え尽きふぉっくす。 - すごく面白いです！占ツクでは類稀な圧倒的語彙力に感嘆しました！応援してます！更新頑張って下さい！ (2018年12月23日 2時) (
レス) id: 1eff72f845 (このIDを非表示/違反報告)
あたーたる 狸 - 更新頑張ってください！ (2018年12月6日 21時) (レス) id: eb89fa6efd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：馬酔木 | 作成日時：2018年12月1日 2時
