きっと. ページ6
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…なんてことを本を読みながら思い出していた。
一目惚れなんてホントにあるんだなって思った。
先輩を見ると、ワークと教科書を行き来して頭を悩ませている。
ズイっと身を乗り出して先輩の近くに顔を寄せて口を開く。
「A先輩、何かありました?」
「あ、…これなんだけ……ど」
ワークを指差しながら俺を振り向く。
途端、コツンと音がして視界が先輩で埋め尽くされる。
俺が身を乗り出したせいで、先輩との距離が近くなり、振り向いた先輩と鼻がぶつかった。
少し顔を動かせば口にだって触れそうだ。
「……あ」
しばらく状況を理解するのに時間をかけて顔を赤くしながら口を開く。
しばらく先輩と間近で見つめ合い、誰かが図書室の扉を開けた音を合図に意識を取り戻す。
「ご、ごめ…豹牙くん…」
「いや！俺の方こそすみません…えっと…?」
「あ、あ…これ、この問題…」
そう言って問題を指した指は少し震えていた。
何事かと思って顔を覗くと、顔が真っ赤になって俺から目を逸らしている様子だった。
「…A先輩、」思わず名前を呟き、手を重ねて目を見つめる。
「えっ、と…」さらに赤くなる顔と、目のやり場がなくなったのか、目を瞑って焦っている。
…いや俺、何期待してんだ。
自分で考えたことに赤面をし、手を離して本で仰いで暑さを紛らわす。
この気持ちの高鳴りも、きっと暑さのせいだ。
続く
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くまちー*(プロフ) - いおさん» ありがとうございます!! (2019年4月3日 13時) (
レス) id: d38e851373 (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - くまちー*さんの新作、待ってました…!無理せず、頑張ってください…!応援しています…!! (2019年3月31日 20時) (レス) id: 1d7aa46e15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くまちー* | 作成日時：2019年3月31日 20時
