▼black or white ①【完結】 (ページ49)

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048：約束、したよね？ページ49

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「ん……」

着信音に気づいて
ふと目を覚ました

あぁ……
昨日、私
ソファで寝ちゃったんだっけ

起き上がらせた身体が、まだ重い

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もう一度鳴る着信音に
ひとつ、ため息で返事をした

うるさく鳴る
ディスプレイを確認すると

「……？」

携帯を持ち直して
緑色のボタンを押した

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『もしもし、雄也？』

雄也『あ、ごめん……寝てた？』

『んーん、起きてた。大丈夫』

雄也『なら良かった』

『珍しいじゃん、電話……どうしたの？』

雄也『ちゃんと帰ったか心配だったから、つい』

『……ありがと、ちゃんと家に居るよ』

雄也『そっか、』

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昨日も
また迷惑かけちゃったな、なんて
相槌うちながら考えていたら

雄也は
改まったように言葉を続けた

雄也『あのさ……』

『ん？』

雄也『昨日のお客さんて、やっぱり……』

『もういいよ、その話は』

雄也『心配してんだよ、こっちは』

『心配ありがと、でももう大丈夫だから』

雄也『誤魔化さないで。大丈夫なワケないでしょ？』

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ふぅ、と
聞こえないように息を吐いた

たしかに大丈夫じゃないけど
今は説明する気力も
思い出す気力も残ってなくて

雄也『(源氏名)ちゃん、ねぇ』

『だから、大丈夫だって』

雄也『ほっとけると思ってんの？』

『……っ、』

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はぐらかしすぎたのか
雄也がしびれを切らして居るのは
なんとなく感じていて

『えっと、』

雄也『じゃあ答えやすい聞き方にしようか』

『え？』

その台詞には
嫌な予感しか思いつかない

雄也『聞き方、変えるわ』

『ねぇ、雄也……』

あぁ、完全に濁しすぎた
そもそも電話になんて
出ない方がよかった

そんな後悔を掬って居ると
雄也は遠慮なく言葉を塗り続ける

雄也『(あなた)、ちゃんと答えて』

『やめてよ、雄也……』

記憶の片隅に浮かんだ表情を
そっと飲み込んだ

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『別れたら、その名前呼ばないって約束したじゃん』

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