033：その理由は、 ページ34
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ダイキ「あー疲れ、た……」
「ちょっ、ダイキ……！」
二人の間から
するり、と抜けたダイキは
真っ直ぐ私に抱きついてきた
耳元には
ダイキの寝息だけが聞こえてくる
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ヒカル「まぁ、あんだけ飲んだら寝ちゃうよな」
ユウリ「珍しく飲んでたもんね……」
呆れ顔をした二人は
コンビニの袋を玄関に置きはじめた
「あっ、ありがとうございます……」
ヒカル「なんかダイキが買うってうるさくてさ、途中コンビニ寄っただけだから」
ユウリ「……冷蔵庫まで運ぶ？動けないでしょ」
「すぐ起こすんで……大丈夫です、すみません」
手際よくコンビニの袋を置きながら
抱きつかれたままの私は
お礼を言うだけしか出来なくて
「すみませんでした、色々と……」
ユウリ「謝るのは、お姉さんじゃなくてこっちだよ。ね？ヒカ」
ヒカル「そうそう、ごめんね？こちらこそ」
「……へ？」
謝られることなんて……
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ヒカル「俺が出勤させちゃったからさ、ダイキのこと」
「え……」
ユウリ「ダイキの客が店に来てさ、ダイキ出勤させて！ってうるさくて……」
ヒカル「バースデー前だから、あんま怒らせすぎるとさぁ……あれなのよ」
「そう、だったんですか……」
ヒカル「そう。んでダイキに電話して……どうにかなんねぇの？って言ったら出てきてくれたワケ」
あの時の電話……
そんなこと話してたんだ
ユウリ「でも、飲んだ理由……分かっちゃったけどね」
ヒカル「だな。いつもは飲まねぇクセに」
「……、え？」
ヒカル「あ、全然飲まないワケじゃないんだけど……こんなに酔うほど飲まないからさ」
ユウリ「……お姉さんが理由だったんだね」
小柄で可愛らしい顔のユウリさんは
小さく笑う
「私……？」
ヒカル「その客がね、ダイキがシャンパン飲むまで帰らないって言い始めたんだ」
「え……」
ヒカル「いつもは俺ら手伝うんだけど……客が、それじゃ嫌だって」
ユウリ「どうする？ってダイキに相談したんだけどさ、今日は俺が飲むって」
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ヒカル「飲まないと帰れねぇなら、俺が全部飲む……って言い始めたんだよ」
目があったヒカルさんは
八重歯をのぞかせて微笑んだ
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作者名：▼SOLA | 作成日時：2019年4月3日 11時
