【忍たま】魔界之小路先生が通販で失敗したことから始まるお話 ③ (ページ33)

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霜鬼とのお仕事の段ページ33

「ドクタケ水軍の創設にあたって、我々に必要となる道具の手入れをしてくれ。」

今日は仕事の日、と思って赤い忍び装束に袖を通し城内へ向かった所、Aの上司にあたるキャプテン達魔鬼からこう言い渡された。

ドクたまのしぶ鬼の父親であるキャプテン達魔鬼は、『ドクタケ城水軍創設準備室室長』という肩書を持っている。ドクタケ水軍を立ち上げるにあたっての権利は彼が担っており、その彼からの指示なのである。

「これ、私たちだけでやるんですか…」

「どう考えたって2人でできることじゃねぇよな…」

どうやら、この仕事に呼ばれたのは、Aの他にはドクタケ忍者の一人である霜鬼(そうき)だけのようだ。

「というか、何を考えてのこの人選なんでしょうね…」

「怪力枠で呼ばれたんじゃねぇの？水軍で使う道具はデカくて重たいのばっかりだから。」

「あぁ、私怪力担当だったんですね。今知りましたけど出来れば知りたくなかった。」

霜鬼はドクタケ忍者の中で最も力のある、つまり怪力な男である。以前忍術学園の大運動会に参加した際は「包帯巻き巻き競争」という場違いと言わざるを得ないような競技に参加させられ、案の定その怪力から道具を壊し失格となった。今回の仕事は、それよりかは彼に向いているものであるだろう。

「まぁAに関しては今まで少し休んでたし、肩慣らしだと思っとけばいいだろ。」

「はぁ…というか私、水軍には参加したことないんですよね。あるっては聞いてたんですけど全然成果の報告が上がらないから自然消滅でもしたかと。」

「お前、ドクタケ(ウチ)にはやっぱ厳しいこと言うよな…。」

「愛です、愛。」

そんなことを言いながら、とりあえず最初に目についた「恐竜さんボート」の修繕に取り掛かった。まだ道具が揃っていないドクタケ水軍の中では恐らくいちばん大きいものである。

「このボート、達魔鬼さんの趣味なんですかね？恐竜さんを使えばしぶ鬼が喜ぶとかいう安易な…じゃなくて、親心でしょうか？」

「え、今安易なって言ったよね？良かったな、ご本人がいらっしゃらなくて。というかこれ、確か魔界之先生が通販で買ったやつだったぞ。」

「へぇ、先生が…そうか、先生が買ったなら仕方ありませんね。でも、別に頭無しの普通のボートとして使えません？」

「いやこれ、恐竜さんの頭で重心のバランス取ってるらしいぞ。」

「頭ありきだったんですね。」