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姉 ページ1
「ただいま〜」
「邪魔するで」
今日も来た。
週に何度か来る背の高い男の人。
ここ最近、よく来るバレー部と思わしき男子高校生。
姉の彼氏のような人。
女子だけの中学に通っている私にとって父以外の男性は未知の生物で。
物珍しそうに見れば、微笑まれる。
「静安ちゃんの妹かわええなぁ」
「ええ〜？そうかな普通だと思うけど？」
静安(しあん)、私の姉の名前。
あまり男性に名字以外呼ばせない姉の変化。
彼が魅力的な男性と知る。
ペコリと頭を下げ、課題に手をつけた。
扉の閉まる音。
これからは私は扉を開けてはならない。
理由はわからないけど、姉が駄目と言うから。
だから大人しく待つ。
そうすれば。
「邪魔したで」
そう言って彼は帰り。
「あーもう、汗だくだよぉ」
姉が下着姿で下りてくる。
「あ、勉強とか凄いねぇ！」
そうして、姉の首元や胸には何個か内出血が起きているのを私は見逃さない。
吸引性皮下出血らしい、何か。
気になる。
「お姉ちゃん、あの人、名前…」
「んあ？ん…でさ聞いてよぉ！北先輩がね！」
「うん…」
隠そうとする姉。
すべてを知りたいという本能が私に芽生えた瞬間。
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