こっそりアイドルやってたのが隣の(ファン)にバレてしまった【キメ学】

厭わないけれど ページ13

あれから何があったのか覚えてない。

何事もなかったように、授業が終わって、部活の時間に、なった。


今日はライブないよね。

ああそうだ帰らなくちゃ。



あぁ、疲れた、今日も、今日も。


そんな酷い顔をしてよくもまあ。



なんて、考えたら駄目になった。





辛い、辛いの。

何がしたいの。


ゆめこなんて、そんな立場を利用して、我妻くんの好きを踏み台にした。
あ、どうしよう。




我妻くんに触れたいから？

どうしようどうしよう、辛い、辛いよ。




どうしたらいいの、我妻くん




「我妻くん…」




途端に、誰かに抱きしめられた。



太陽をいっぱい浴びた、布団の匂い。


なのに、柑橘系みたいな、甘酸っぱい匂い。



これ、この、匂い



「我妻くん…？」




我妻くんは何も言わずにぎゅっと抱きしめて、私を安心させていた。




実感みたいなものを得ようと、我妻くんを抱きしめ返した。


手が震えて、我妻くんの背を掴めない。

どうしよう、どうしよう。



我妻くん、私を、本当に、好きになってくれたの？



ねぇ、教えて。




我妻くん。

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