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さんかいのうるさい ページ3

あれから義勇はずっと、いや、時々家に来てゆっくりして出ていく。


だいたい、六時。
お隣の、杏子さんが帰ってくるとき。




杏子さんは最近引っ越して来た女の人。
挨拶、してないなって。


しなきゃな、って、思うのに。
言いにいけない。



なんだか、なんだか私が壊れそうで嫌なんだ。


だけど会いにいかなきゃ。

鍋を持って会いに行く。

中には昨日の鰤大根。


余り物だけど。
失礼と思われないかな。



今日も義勇が帰ってから。

会いに行った。



嫌な予感はもう、当たっていたのに。




どうしてかな




「こんばんは、えっと初めまして。」




「隣の太宰Aと申します」



中から出てきたのは尻まで届く黒髪を揺らした女の人だった。
猫のような金色の瞳。


義勇の好きそうな人。


女の人は微笑んで




「初めまして!花袋杏子と申します!」

と明るく言うと私の鍋を喜んで受け取った。

私は深々とお辞儀をして目をなるべく合わせないようにした。



目線の先には、義勇の草履。
きっと、たまたま一緒なだけ。


そう、そんな風に安心しようとしたのに。
なのに。



「花袋なんて言っても、もうすぐ冨岡になりますけど、あと一年くらいでしょうか」



なんて言うから。


不安が重なって重なって。
何にも言わずに帰ってきた。



誰もいない、いない。


義勇の温度が冷めた座布団にうずくまってその日は泣いた。



好きだから。


あの義勇が好きだから。



「うるせ…ぇ…ばか…」


そう呟いて目を閉じた。


部屋は寒かった。

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いぬお(プロフ) - なつさん» 半狂乱で書いたので…私の話はだいたいおかしくて意味不明なのでその際は閲覧を控えて頂けると幸いです…そのうち書き直したいんですけどねぇ… (2020年3月10日 20時) (レス) id: 6790399aa0 (このIDを非表示/違反報告)
なつ - ?よくわからない話 (2020年3月10日 19時) (レス) id: dedc8a99d2 (このIDを非表示/違反報告)
いぬお(プロフ) - めろんさん» ありがちょございます… (2019年10月28日 1時) (レス) id: 5294fb0fb4 (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - とても心に染みるお話でした。最後、ぶわっと鳥肌が立って、目頭が熱くなりました。素敵なおはなしありがとうございました! (2019年10月28日 0時) (レス) id: 95ecc4c788 (このIDを非表示/違反報告)
いぬお(プロフ) - 禰豆子は神(°-°)さん» 更新遅めになるかも…ありがと… (2019年10月19日 21時) (レス) id: 5294fb0fb4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いぬお | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2019年10月19日 0時

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