検索窓
今日:4 hit、昨日:21 hit、合計:586,820 hit

1_ ページ1

「いやいやいや、だからですね、頑張ってる人が成るんですよ、こういうのは!」

ピアニストが指故障したり、歌手が声帯やられたり…
なにも頑張ってない一般人が体丸ごと持ってかれる訳がない!そういって必死に弁明する。


初めて会った金髪の、見目麗しい高貴そうな方に。


何故か自由が利く手をここぞとばかりに大きく振りかぶりたどたどしく弁明すると、滑稽に映ったのか私を蹴りつけ此処まで引きずってきた緑パーカーが狂気的な笑い声を漏らす。

その声でまた捕獲された時の恐怖がぶり返ると同時に目深に被ったフードの奥底から感じる見世物扱いに少し腹が立った。

怖いから顔には出さないけど


「つまり自分は神隠しにはあっていない、と?ならばこの状況をどう説明する気なんだ?」


混乱状態に(錯乱と言い換えても良い)陥っている私を落ち着かせるように、諭すように、ゆっくりと、想像以上に低い声が男性から紡がれる。その様は成程支配階級の人間の沈静さだ。


「…先程も申し上げた通り、夢です!」

その密度の濃い沈黙を破るのは随分と簡単な言葉だった。
羞恥心が無いわけではないが、これは絶対にそう、そんな確信めいた自信がある。

目が覚めたら失神するほどの蹴りを決められて、このふかふかレッドカーペットの上に転がされたまま男前に自己紹介している現状が夢じゃないのなら、何がある?

お願い私、早く目覚めて。

そんな願いと共に金髪の男性の衣服をまじまじと眺めると、重厚な造りの軍服に勲章がいくつも輝いている。歴史の教科書でしか見たことが無いような光景に、我が夢ながら世界観を疑った。
深層心理でこういう格好に憧れを抱いていたのかもしれない。

そんな見当違いな方向に意識を飛ばしていると、緑パーカーが名状しがたい笑い声をあげながら恐ろしいことを言った。

「なぁグルッペンこいつヤバいって、クロやで絶対。さっさと拷問してヤクの場所突き止めたほうがええんちゃう?トントン呼ぶ?」

2_→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (370 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
814人がお気に入り
設定タグ:wrwrd , 実況
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Aya(プロフ) - ボマー!?お前性格イケメンかよ!?多分任務失敗したら消されるからの自爆だろ!!!任務より自分の気に入った相手優先とかヤバい(途中までしか見てない人の勝手な感想) (2021年6月8日 3時) (レス) id: b462e5db2b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ROM専さん» 勢いの良さに笑っちゃいました…!ありがとうございます(?) (2019年9月26日 7時) (レス) id: 2e704aa56d (このIDを非表示/違反報告)
ROM専(プロフ) - mnちゃああああああああああ (2019年9月25日 20時) (レス) id: 19a3a955e7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - にーたさん» 周りに説明する時は丁寧だけど胸中ではズバッと決まってそうなのでこういう表現にしました!色々考えた結果の文字数なので刺さったなら嬉しいです!コメありがとうございました! (2019年9月22日 10時) (レス) id: 2e704aa56d (このIDを非表示/違反報告)
にーた(プロフ) - 46の一文に痺れました。語らないでズバッと切るところが最高にカッコいいです。 (2019年9月21日 23時) (レス) id: 8f97026b0d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年8月23日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。