＊3＊ ページ26
「お疲れ様です。来てくれてありがとう」
「んにゃ、Aちゃんもおつかれ。‥‥明日も仕事なのに、ごめんね」
「‥‥あ、明日お休みいただけたんです」
「え、マジで？」
「はい‥‥。由紀さ‥‥職場の人がお休みしたらって、言ってくれて」
「そうなの？‥やるなぁ(笑)んふふっ、明日もAちゃんといられんのかぁ」
いい職場だねぇってニコニコしてる。
本当にそう思う。恵まれてるなぁって。
思い切り頷いたら、更に笑みを深くして頭を撫でられた。
「‥‥仕事、楽しい？」
「はい！あ、おやつの第三弾も決まったんです。忙しいけど、ちょっとワクワクもしてて」
「そっか。‥‥がんばってんね。俺、この前食べたよ」
「え！どこで？」
「んふふっ‥さぁ、どこでしょう？(笑)」
「‥‥櫻井さんにもらった、とか？」
「ぶーっ、今回はちがう」
「えー！？だれ？どこ？」
販売店リストを必死に思い出してみるけど、智くんが行きそうなところが思いつかない。
うーん、誰かにもらったのかな？
「降参。教えてください」
「んー‥どうしよっかなぁ(笑)」
「教えてくれないの？いじわる‥‥」
「あははっ、んな顔してっと知らねぇよ？」
「え‥‥‥ッ‥！」
半分冗談で拗ねて見せると、声をあげて笑って、スッと真顔になった。
一瞬で視界が暗くなって、唇に温もりが触れる。
軽く触れて離れて、もう一度、ゆっくり重なって離れた。
さっきまで無邪気に笑ってたのに、今は艶っぽい瞳で見つめられる。
「ごちそーさま」
「‥‥もう‥」
でもパッと身体を話すと、またふにゃんと笑いながらビールを飲んだ。
‥‥どこまでも翻弄されちゃうよ。ほんと、ずるい。
梅酒ソーダの冷たいグラスで熱くなった頬を覚ましていたら、
智くんが何でもないように言った。
「この前、由紀さんから手紙もらったよ。Aちゃんのこと、書いてあった」
「‥‥‥‥え‥‥‥？」
ゆき、さん？って、‥‥あの由紀さん？
手紙って‥‥なんのこと？
私と由紀さんの関係を知ってるの‥‥？
動揺して揺れたグラスを、智くんがそっとテーブルに戻してくれる、けど。
今はそれどころじゃない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 142人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ki-bou | 作成日時：2022年1月9日 1時
