ひなたぐらし＊6＊-S.O- (ページ1)

今日:3 hit、昨日:10 hit、合計:13,471 hit

あの時の真相？＊1＊ページ1

みんなでお茶と、私が持ってきたお菓子を食べながらのんびりしていると、
家はどこなのかって話になった。

智くんから聞いてるのかな？って思ったけど、話してなかったんだね。

地名や最寄り駅を伝えながら、ふと思い出す。

そう言えばお知り合いが近くにいらっしゃるんだった。
5月に智くんが来た時、行ってきたって言ってたっけ。

するとお母さんはくりっとした目を丸くさせた。

「まぁっ、そうなの！？その近くに主人の知り合いがいるのよ。知ってるかしら‥‥」

お母さんが話してくれたそこは、隣の市との境にある場所。
電車だとわりと近い。

「行ったことあります。国道沿いにおいしいハンバーグのお店があって‥」

「あら、もしかしてあのお店かしら。私も好きで、行くたびに寄るのよ」

お母さんが言った名前を聞いて、記憶が鮮明によみがえる。
両親と子どもたちと行ったお店は昔ながらの洋食屋さんで、ハンバーグもソースも絶品だったっけ。

もしかしたら、どこかですれ違っていたかも？

そこのパンは奥様の手作りだとか、スープもおいしいとか、チーズケーキが最高とか、
お店の話でひとしきり盛り上がって。

智くんが、2人だけずりぃって唇を尖らせてたから、お母さんと笑った。

「前にね、智に行ってもらったことがあるのよ。‥‥ふふっ、もしかして会ったかしら？」

「あ‥‥はい、5月の連休明け、ですか？」

「そうそう！なるほどねぇ(笑)それであっさり聞いてくれたの」

「‥‥いいじゃん別に。行ってもらって良かったっしょ？」

「はいはい。ありがと(笑)」

お母さんがにやにやしてて、智くんがますます口を尖らせた。

「その日は知り合いの方の息子さんの命日でね。‥‥毎年2人で行ってたんだけど、今年は主人の仕事で行けなかったの。で、智に何気なく話したら行くって言ってくれて」

「そうだったんですね。お墓参りに行ってきたって聞きました」

「やっぱり！Aちゃんがいるからなのね。お父さんにも報告しなきゃ」

「‥‥しなくていいって」

「照れちゃって(笑)あ、じゃあまたお願いできる？」

「‥‥‥いいけど」

いいんだ(笑)やっぱり優しいね。