＊2＊ ページ2
「時々さ、違う人‥見てるのかなって、何でか思うときあって」
「え‥」
「んー、はっきり言えねぇけど。‥うん。
付き合う前にね、何回か」
お付き合いする前‥‥は確かにいろいろ考えて動けなくなってたけど。
「話聞いて、会ってみて、アノヒトじゃないよな、ってのはわかった」
「あの‥、人‥？」
「元、旦那さん」
「‥っ、‥」
「だったら何でだろうって」
智くんの観察力には驚く。
それとも‥私そんな分かりやすい？
さっき久しぶりに思い出したのに。
智くんはどうして分かるの？
‥‥どんな気持ちにさせてたんだろう。
ごめんなさい、がたくさんあふれて、
ちょっと泣きそうになる。
智くんは、また謝ってる〜って笑って。
そっと手を握ってくれた。
温かい。
「辛かったね。寂しかった？」
「‥‥わからない」
「ん‥そっか」
まるで見てきたかの様に話す智くん。
ポンポンって頭を撫でて覗き込まれる。
もう何年も前の話で、とっくに吹っ切れたと思ってた。
だから。
通学路もカフェも店長も、サクヤくんにだって。
こんなに気持ちが揺れ動くなんて、思ってもみなかったの。
智くんの言葉に、こんなに胸が締め付けられるなんて、思わなかった。
だってね、わからなかったんだよ。ずっと。
寂しいとか悲しいとか、そんなの考える余裕もなかったから。
でも。
そっか‥。寂しかったんだ。
悠ちゃんと離れて、本当はすごく寂しかったんだ、私。
「‥ふっ‥‥」
「‥‥」
よしよしって撫でられる頭と背中。
包まれる温もりにとても安心出来て、
気付いたら泣いてた。
・
・
「飲む？」
「ん‥ありがと、」
差し出されたのは淹れ直してくれたコーヒー。
ミルクたっぷりのカフェオレに優しさを感じる。
涙が乾いて、気持ちも落ち着くと・・なんだか恥ずかしいよね。
こんなに泣いたのはいつ以来かな？
今日辿った、学生時代の足跡。
智くんが行きたいって言ってくれなかったら、きっと行くこともないまま。
悠ちゃんのことも、何でもない「振り」でいたと思う。
こんなに自分の中に残ってるのに、それすら気付かずに。
タクミとのことや、子どもたちのこと。
確かにそれは、次の恋とかそーゆーのに踏み出さないと決めた理由だけど。
それ以前に、あの別れが心にしこりの様にあったからなんだ。
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ki-bou(プロフ) - みいさん» みいさん、コメントありがとうございます！そう言っていただけてうれしいです。癒やされたい自分の願望で書いておりますが(笑)、またよければいらしてくださいね♪ (2021年10月17日 16時) (
レス) id: a357d9e966 (このIDを非表示/違反報告)
みい(プロフ) - 更新ありがとうございます！楽しみにしていました！智くんの柔らかい感じが本当に好きです！癒しをありがとうございます！また、更新楽しみに頑張ります！ (2021年10月17日 12時) (レス) @page48 id: a71a0c3a62 (このIDを非表示/違反報告)
ki-bou(プロフ) - しまかわさん» しまかわさん、コメントありがとうございます！お言葉励みになります。少しでも楽しんでいただけるように、これからも書いていきますね♪ (2021年10月2日 17時) (レス) id: 51a6190355 (このIDを非表示/違反報告)
しまかわ(プロフ) - お待ちしてました！が、ご自分のペースでいいと思います。自由に書いて、見たい人が見に来るところだと思うので、お気になさらずに…。変わらず、智くんの話を読んで、楽しく想像させてもらいます😃 (2021年10月2日 10時) (レス) @page44 id: 5f6e5bb18d (このIDを非表示/違反報告)
るーちゃぴ(プロフ) - ki-bouさん» 応援しております！！！頑張ってください！！！ (2021年8月17日 22時) (レス) id: 9a982c6c49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ki-bou | 作成日時：2020年1月26日 8時
