＊3＊ ページ22
家に着くと当然真っ暗で冷え切っていて。
凍えた身体がよりいっそう寒く感じる。
暖房をつけて、ふっと見た時計に、智くんとの約束を思い出す。
「あっ！え？!・・うわっ」
どうしようっ。遅くなっちゃった！
着信履歴の時間は、1時間前。
智くん、待ってくれてるかな。
通話をタップしようとした指がすぐに止まる。
『待ってるんじゃない？電話も・・返事も。
ほら、早く帰んなきゃ』
そう言って、颯爽と帰っていった和さん。
返事・・・も待ってるよね。
猶予期間をくれたのは、智くんの優しさで。
本当は早く返事できればよかったんだよね。
けど。と、でも。がまだぐるぐるしてるけど。
何度も考えたけど。
結局は私の気持ちは変わらない。
さっき和さんに言われて気づいた。
行き着く先はやっぱり、智くんといたい、ってこと。
関係性が変わることは、正直怖い。
その先に何があるかなんて、わからないから。
それを身をもって体験してるから。
けど。このまま友だちの距離でいるのは、きっと先々辛くなる。
・・どうしようもないくらい、好きだって自覚しちゃったから。
『不安なら、そう話してみたら？
どんなことでも、好きな人のことは受け止めたいって思うでしょ？』
私よりもずっとちゃんと考えてる和さん。
その言葉が、背中を押してくれてる。
暗くなった画面をつけて、今度こそ通話ボタンをタップした。
♪〜
「もしもし」
「あっ・・あの」
ワンコールで繋がった電話に、一瞬真っ白になる。
心の準備する暇なかったよ。
「・・待ってた」
「ごめんなさい」
「んーん、おかえり」
「ただいま」
「ん。おかえり。帰ってきてくれてよかった」
ふっと息を吐き出して、ささやくように言う。
遅くなって心配かけちゃった？
でも、なんだかちょっと違う気もする。
「もう、戻ってこないかと思った」
「ちゃんとお家に帰ってきましたよ？」
「うん。・・・んー、そうじゃなくて、んっと」
「うん？」
珍しく言い淀む智くん。
「・・近くにいるヤツに取られたかと思った」
「うん？・・えっ、和さん？」
「・・・一緒にいたんでしょ？」
うん、って頷く。
そうだけど。智くんにもそう言ったけど。
えっ？
「送ってくれた、だけ。だよ？」
「ほんと？」
「・・・うん」
耳元でため息が聞こえた。
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ミホ(プロフ) - あみさん» あみさん、コメントとっってもうれしいです♪ありがとうございます！まだまだ未熟であれこれ迷いながらなのでさくさく行かずすみません。少しでも楽しんで頂けているならうれしいです♪更新がんばります！ (2019年4月5日 1時) (
レス) id: 8ef5e9dce6 (このIDを非表示/違反報告)
あみ(プロフ) - いきなりコメント失礼します！このシリーズを最初から読んでずーっと楽しんでました！これからも読みます！更新頑張って下さい！！楽しみにしてます。 (2019年4月4日 22時) (レス) id: 595a819d9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ki-bou | 作成日時：2019年3月31日 2時
