7日目 ページ8
「お疲れ様です〜」
今日の予定を終えて時計を見ると、すでに0時を裕に回っていた
Aはもう眠っているだろうか
トーク一覧を開いても、毎日の「今日も頑張ってね!」以降返したスタンプに既読が付いているだけだった。
付き合っていたころは絶対に
「何時に帰ってくる?」だとか
「今日のご飯は○○つくったよ」とか来ていたのに。
‥‥‥‥付き合ってた頃から
このくらいのびのびした距離感だったらよかったのに。
タクシーを呼び止めて、家へ向かってのんびり動き出す。
「はぁ______」
別に、本当にAのことが嫌いになったわけじゃない。
まふまふが忙しくなればなるほど、Aのことを隠すのに必死だったし。
Aのことを守りたくて、連絡が返せないことももちろんあったのに。
生放送中にスマホの通知が鳴っても、嬉しかったけど顔に出すわけにはいかないし。
Aは僕の歌は聞いてくれるけど、生放送は
『みんなのまふまふくんは、私の真冬くんじゃないから』
って、見てくれないし。
僕だって本当は寂しかったのに我慢してたんだ。
なのになんで、Aばかり寂しいって泣くのか
だんだん苦しくなってしまったんだ。
「電子マネーでお願いします。」
領収書をもらってタクシーを降りて、オートロックを開ける。
別れる直前は、このオートロックを開けるのもなんだか嫌だなぁ、帰りたくないなぁと思っていたのに
いつからかAがケロっとして笑って出迎えてくれるようになってから
あまり気にならなくなった。
2人で一人暮らしをしている感じ。
お互い過干渉せずに、お互いの生活を応援だけする日々。
「ただいま〜」
『あ、おかえりまふくん!』
玄関を開ければ、いろはとぽてとと一緒にぱぁっと笑った君が出迎える。
「ただいまA、まだ起きてたの?」
『今期のアニメみてたの!あのね、めっちゃ面白いのあって___』
ただいまのキスとハグをしてから、Aは僕をテレビの前のソファへ引っ張った。
このキスとハグも、僕とAの心の切り替えスイッチなだけ。
きっとAもそう思ってる。
ただそれだけのスキンシップ。
『あのね!今3作品見てるんだけどね!面白いから一緒に見よう!』
「うんいいよ。先にお風呂入ってくるね」
何となく買ったお土産のプリンを冷蔵庫に閉まった。
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宵闇 ルア(プロフ) - もう一回見てみたんですけど、最後のかつて彼氏だった彼の声のところの後に出てきた人はまふくんじゃないかなって思ってます (2023年1月8日 22時) (レス) @page41 id: d7473b096e (このIDを非表示/違反報告)
涙靜(プロフ) - 見つけてくださって、ここまで見守ってくださって、本当にありがとうございました!思い出した頃にまた振り返っていただけたら嬉しいです! (2022年12月6日 23時) (レス) id: 82f86f91ed (このIDを非表示/違反報告)
Ruriyuri - 私いろいろな界隈の小説を読んでいるのですが、とても久しぶりに心に来る小説を見付けました。本当に珍しいことでこのような小説に出会えてとても嬉しいです。とても感動しました。 (2022年12月5日 21時) (レス) @page41 id: 825b0bc841 (このIDを非表示/違反報告)
涙靜(プロフ) - おみさん» 最後までお付き合い頂きありがとうございました!泣かせるぞ〜!と思って書いてたので、本望です笑ありがとうございました! (2022年12月1日 1時) (レス) id: 82f86f91ed (このIDを非表示/違反報告)
おみ(プロフ) - 完結おめでとうございます!すごい泣きながら読みました (2022年11月30日 22時) (レス) @page41 id: 284adcf210 (このIDを非表示/違反報告)
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