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5日目 ページ6

あぁー、やっちゃった






一応キスだけはしないように気を付けようと思っていたのに







目が合うといつでも挨拶のようにキスをしていたから、つい癖でキスをしてしまった。







『好きだよまふくん』



「うん、ありがとう」








いつもは「愛してるよ、A」って




意識的に名前を必ず呼んで返していた。









Aがまた傷ついた顔をする。





それでもまた、ふにゃって笑って見せて、何も言ってくれない。









こんなに目を腫らしているのに、また泣いていた理由をちゃんと言葉にしてくれない。








いつだったか、「浮気とかは全く疑ってない。ただ心配だから連絡だけはしてほしい」と

泣いていた理由をそう言われた。








だから連絡を返し忘れていたことは悪いと思っているし、正直なんでそんなに心配しているのかわからない。






声は高くても、僕は男だし、背は高い方だし








そりゃひょろひょろで筋肉はないけれど、、、









「ねえA、今日晩御飯どうする?早く帰ってこれたし外に食べに行こう?」



『ん、お腹すいてないから、まふくんが好きなのでいいよ。』



「もー、ちゃんと食べなさい!」



『まふくんには言われたくない!』







よし、いつも通り。




笑顔でふざけあってる僕らだ。




Aも元気になったし、ご飯を食べながらいつ頃引っ越すのかちゃんと話そう。





僕の作業のためにこんな広いマンションを借りてるんだ。





A一人ならもっと安くていいところもあるだろう。







「ラーメンかお寿司、どっちがいい?」




『じゃーラーメン。準備するからちょっと待ってて』







また目が合った。





吸い込まれるようにまた、触れるだけのキスをする。






これが僕らの日常。






ぼんやり考え事をしている間、Aもなにか考えていたんだろうか。







目いっぱいたまった涙を、抱きしめた僕の肩口で拭って洗面台に消えていった。









「またキスしちゃった______」






Aの温度が消えた手のひらを、ぎゅっと握りしめた。

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作品ジャンル:恋愛
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宵闇 ルア(プロフ) - もう一回見てみたんですけど、最後のかつて彼氏だった彼の声のところの後に出てきた人はまふくんじゃないかなって思ってます (2023年1月8日 22時) (レス) @page41 id: d7473b096e (このIDを非表示/違反報告)
涙靜(プロフ) - 見つけてくださって、ここまで見守ってくださって、本当にありがとうございました!思い出した頃にまた振り返っていただけたら嬉しいです! (2022年12月6日 23時) (レス) id: 82f86f91ed (このIDを非表示/違反報告)
Ruriyuri - 私いろいろな界隈の小説を読んでいるのですが、とても久しぶりに心に来る小説を見付けました。本当に珍しいことでこのような小説に出会えてとても嬉しいです。とても感動しました。 (2022年12月5日 21時) (レス) @page41 id: 825b0bc841 (このIDを非表示/違反報告)
涙靜(プロフ) - おみさん» 最後までお付き合い頂きありがとうございました!泣かせるぞ〜!と思って書いてたので、本望です笑ありがとうございました! (2022年12月1日 1時) (レス) id: 82f86f91ed (このIDを非表示/違反報告)
おみ(プロフ) - 完結おめでとうございます!すごい泣きながら読みました (2022年11月30日 22時) (レス) @page41 id: 284adcf210 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:涙靜 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年11月6日 11時

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