友だち以上元カレ未満【mfmf】

30日目 ページ31

『ねぇ一緒にお風呂入ろう？』

「えーやだよ。俺今日はひとりが良い」







この押し問答にかれこれ30分経過した。





今日は一人になりたくない。




でも何があったかなんて聞かれても、まふくんはもう私を心配したり、怒ったりしてくれる関係では無いから言えない。


言いたくない。思い出したくない。







ただ腰をつかまれただけ。



人が多かったから、避けきれずにきっとつかんでしまったんだ。


きっとそれだけ。








そう言い聞かせても怖かった腰の違和感は消えてくれない。





『ねぇ一緒が良い』

「疲れ取れないじゃんー今日は一人で入って」

『やだ！』



寝転ぶ君に後ろからだきついて駄々をこねても、今日は譲る気は無いらしい。








一人にしないで。




首筋に歯を立てた。










「いっった！！何！？」

『ぁ…』













思ったよりも、強く噛んでしまったらしい。

イラついたまふくんの声に、また零れそうになる涙を隠したくて。








黙って、急いで、なるべく急いだそぶりを見せないよう浴室に飛びこんだ。




「あれ、急に素直」





お茶を取りに動いたのか、ドアの向こうから声が聞こえる。







『ごめんなさい…』









小さくつぶやいた声はきっと、届いていない。

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