友だち以上元カレ未満【mfmf】

13日目 ページ14

『ねぇ先輩、私まだ帰りたくない』









君がそう言って変わり始めた関係だった。









ハツラツとした笑顔に一目惚れをした。

君の周りにはいつも人がいたから、毎日サークルに顔を出しても声をかけられなかった。





ギターのチューニングをする振りをして、Aと、その友達や先輩の会話を盗み聞いて



僕がそばにいたら、あの子の話題の中に僕も登場出来るのかなとか


きっと僕といたら、こうゆうこと言うんだろうなとか、そんなことを妄想していた。








｢もう何年前だろうね･････｣







あの日もこうやって、酔いつぶれたAは

僕の腕の中で静かな寝息を立てていたことをぼんやりと思い返す。












｢策士だったよなぁ、昔から｣








結局、帰りたくないと瞳を潤ませたAを

1駅先の僕の家に連れ帰って一緒に映画を観たり、ほんの少し飲み直していた訳だけれど






『せんぱぁい、ごめんなさい、酔っちゃったぁ』


えへへぇって

ふにゃんふにゃんになって、君は僕の肩に体重を預けた。






｢ちょっ、Aちゃん！？｣


あの時は焦ったなぁ


ほんとに、当たり前だし何度もいうけれど、僕は男で




君は、僕が好きな女の子で




きっと君は、僕が好きな人が自分だと確信してここにいるわけで





『真冬先輩？』




そんな真っ赤な顔で、とろけた瞳で見つめないで








僕はきっと、告白よりも前に手を出してしまうから。











｢まぁ、そのままA寝たから、無事に何も出来なかったんだよね｣





翌朝真っ青になって昨夜の自分の言動を思い出したAが



『緊張してて、お酒回るの早かったの！！』


ペースがつかめなかったの！って顔を覆ってしまうの、可愛かったなぁ









あの日以来Aが泥酔することはなかったから、

きっと思い出してしまうのだろう。










眠る君のほっぺをむにむに弄ってみても

あの日と同じ。



Aは起きない。









悔しかったなぁ

あのままめちゃくちゃに抱き潰してしまいたかったのに














『んぁ･･････ま、ふくん、？』

｢ん、A起きた？｣

『んぅ････』








まだ眠っていてね







今の僕の顔はきっとほころんでいて






元カレの顔になれそうにないから









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わああぁ

続々とお気に入り登録、順位更新ありがとうございます！

回想シーン、無事(？)にここまできました！


翌日、どうなるんでしょうね

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