11日目 ページ12
お迎えなんて来るわけない。
だって呼んだこともないし、迷惑かけたくないし、自分で帰れるもん。
頭がぐらぐらする。気持ち悪い。
寂しいよまふくん。
まふくんのことを思い出していると、頭を求めていた優しい重さが撫でつけられた。
一番、安心する重さ。
まふくんみたいな撫で方だなぁ
.
.
「Aさん、連絡先交換しませんか？」
『えっあ、はい！！』
あれ、何してたんだっけ？
あたりを見回すと大学時代の友人たちがお酒の入ったグラスを傾けていた。
そうか、そうだ。サークルの飲み会に来ていたんだっけ。
ふとスマホを取り出して、声をかけてくれた先輩にQRコードの画面を差し出した。
『はい、真冬先輩』
「わ、ぁ…ありがとうございます！Aさん！」
『なんで先輩が敬語なんですか！気軽に呼んでくださいね、真冬先輩！』
そうだ、テーブルを囲んでいた人のなか、綺麗な先輩がいるなぁって見つめていたら
声をかけてもらえて始まった恋だった。
『真冬先輩、次何飲みますか？』
先輩の空になりそうなグラスを見て、ドリンクメニューを開いて差し出した。
「あー…僕お酒弱くて、声カスカスになっちゃうからあんまりこうゆうところで飲みたくないんだよね」
『えっそうなんですか？幹事がお酒好きの先輩だったからてっきり飲む方かと思ってました』
飲まないならなんでこの場に来たんだろう。参加してない人もいるのに。
私は話すきっかけになってラッキーと思ってるけど。
「んー、メンバー表みたら気になってる子が参加するって、名前書いてあったからね」
どくん
脈打つのを感じる。
これは自惚れていい発言か。
ふわりと目を細めて、
頬杖をついた先輩から感じる視線を、どう受け取るのが正解か。
考えろ私。失敗は許されない。
慎重に言葉を、行動を、仕草を選ぶんだ。
『えぇー誰だろう、先輩かっこいいからなぁ
いいなぁその女の子、私も仲良くなりたいです！
どの子ですか？』
きっと、今はまだこのとぼけた振りが大正解。
だって真冬先輩の顔が、くしゃって楽しそうな笑顔に変わったから。
「まだ内緒！」
えぇ〜！教えてください！なんて、わざとらしく体を寄せて詰め寄ってみせると
また、いたずらに笑って、両ほっぺをむにゅっと寄せられる。
よし、大正解
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宵闇 ルア(プロフ) - もう一回見てみたんですけど、最後のかつて彼氏だった彼の声のところの後に出てきた人はまふくんじゃないかなって思ってます (2023年1月8日 22時) (
レス) @page41 id: d7473b096e (このIDを非表示/違反報告)
涙靜(プロフ) - 見つけてくださって、ここまで見守ってくださって、本当にありがとうございました！思い出した頃にまた振り返っていただけたら嬉しいです！ (2022年12月6日 23時) (レス) id: 82f86f91ed (このIDを非表示/違反報告)
Ruriyuri - 私いろいろな界隈の小説を読んでいるのですが、とても久しぶりに心に来る小説を見付けました。本当に珍しいことでこのような小説に出会えてとても嬉しいです。とても感動しました。 (2022年12月5日 21時) (レス) @page41 id: 825b0bc841 (このIDを非表示/違反報告)
涙靜(プロフ) - おみさん» 最後までお付き合い頂きありがとうございました！泣かせるぞ〜！と思って書いてたので、本望です笑ありがとうございました！ (2022年12月1日 1時) (レス) id: 82f86f91ed (このIDを非表示/違反報告)
おみ(プロフ) - 完結おめでとうございます！すごい泣きながら読みました (2022年11月30日 22時) (レス) @page41 id: 284adcf210 (このIDを非表示/違反報告)
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