【まふまふ】世界にたった1人の魔法使い【歌い手】

第16話 ページ17

貴方Side





『本当に大丈夫？』

ま「うん」





どこかはかなげに笑うまふくんのほほに手を当てた





彼の思っていることを知りたいけれど、まだ知ってはいけない




そんな気がする







だから、軽率に魔法で心を読んだりなんかできない








いま、答えを知ってしまったら





彼はもうここには来なくなってしまう









『…じゃあ、送るよ』




いつものように私と彼の体を空へと持ち上げた






アルファの二人は自力で来い





もう出禁だよあんたたち








ま「…」



いつもは楽しそうに空を泳ぎ回って遊んでから帰るのに




今日はまっすぐ


ただひたすらに家へと向かっていた









『…ねぇ、本当にまふくんになんて言ったの』



じろりと青い羽のアルファをにらみつける






そ「お前はまだ知らなくていいよ」

『気安くさわるなっ！ついでになでるな！』




まふくんの友達に悪い人はいない





それはこの二人をみて分かった





だって、頭をなでる手がとても優しいから






まふ君と同じだから





天「えぇと…Aちゃん」

『なに？』




悪い奴らではないから、無下に冷たくできないのがつらい






天「俺らの記憶消すとか、そうゆうことしないの？」

『…そんなことしたら、まふくんの相談できる人がいなくなっちゃうでしょ』







おそらく、悩んでるのは私の事



まふくんはきっと私に話してはくれない


だから、この人たちの記憶を奪ってしまったら

まふくんの悩みのはけ口がなくなってしまう






『悔しいけど、まふくんのことよろしく…あと、私の事誰かに言ったらびりびりだからね』

そ「わかってるよ魔法使い」





ふわりとわらって、また青の…そらるさんは頭をなでた









『あ、ついた』

ま「じゃ、またねA。今日はごめんね？」

『気にしないで？なにか悩んでるなら、まふくんの近くには相談できる人がいるんだからね？』







そう、念をおすと、安心したように微笑んでくれる




その笑顔が私は好き





大好き







私のたったひとりの友達








『じゃあね』




地面に降りたまふくん




これから帰ろうと低く飛んだままのそらるさんと天月君






三人に見送られて、ぱちんと指を鳴らした









曇った空





星は、今日は見えない




　

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