十四話 ページ15
貴方side
「高いところに行ったら星も見えるかもよ？」
真冬が言った言葉
でも、聞いたことがある
私の、大好きな声
思いのほか早く進む人の列に遅れないようについていく
心臓はずっと、どくんどくんと脈打っていた
真「A、僕たちの番だよ」
『ぁ、はい！』
怖い
ジェットコースターが怖い
だから真冬と今日一日で乗ったのが初めてなはず
昼間乗っていたのはただただ怖くて、真冬が握ってくれている手に安らぎを覚えた
夜になってから、ただ怖いだけじゃない
「いってらっしゃーい！」っていうエキストラの声に
ぎゅっと真冬の手を握った
がたんがたんと上がってゆく
ゆっくりと頂上が近づいてくる
もっともっとと鼓動も激しくなる
目を、瞑った
真「A！見て！」
『え？』
促されて開いた目のさき
ちょうど頂上に達したとき
大きな花火が咲いた
後から音が突き上げ、歓声と悲鳴を上げながら乗り物は重力にしたがって落ちる
回る
落ちる
『見つけた…』
大きな声と滑車の音に声はかき消された
真冬にも届いていない
でも、見つけた
私がずっと探していた景色
「好きだ。A」
そう彼が微笑んだ直後に、歓声と悲鳴を引き連れて落ちていった
あれは…
あれは！！
がくんっとゴールにとまったジェットコースター
促されるまま降りた私の目からは
涙があふれてとまらなかった
必死に慰める真冬の声も聞こえない
私があたまを撫でて欲しいのは貴方じゃない
貴方じゃないけれど、彼はもうこの世にいない
『っ行かないで…』
予定よりも早く思い出してしまった
まだ、眠っていて欲しかった記憶
私の、大好きな人
もう呼吸をすることのない、彼の…
真「A！？A！ねぇ＿＿＿＿＿！＿＿＿＿＿っ＿＿＿＿＿」
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涙靜(プロフ) - しゅがーさん» ２回もですか！？ありがとうございます！これは引退ギリギリまで粘っていたので、短く、詰め込まれて読みづらかったと思います...すみません！ありがとうございます！ (2017年6月18日 19時) (
レス) id: a6e371c5c5 (このIDを非表示/違反報告)
しゅがー(プロフ) - あぁ…二回も読んじゃいましたー！どの作品もとっても好きです！これからも頑張ってください！ (2017年6月16日 21時) (レス) id: 9dc97677e9 (このIDを非表示/違反報告)
After the Rain@AtRライブ行きます - まずは小説完結乙です！感動的で涙腺ヤバいですwそして引退おめでとうございます(？)ずっと涙靜さんが好きでした！涙が止まりません！今までありがとうございました！！お疲れ様でしたっ！！！ (2016年11月24日 15時) (レス) id: 714f66e91f (このIDを非表示/違反報告)
美月 - 最初はよくある記憶喪失で思い出してHAPPYENDになるような話だと思ったら、記憶喪失の女の子が亡くなった愛する人を探しているような小説は読んだことがなくて感動しました。それとこれで引退とゆう事にまた泣いてしまいました。もっと感動するような小説見たかったです (2016年11月23日 18時) (レス) id: a74e51757e (このIDを非表示/違反報告)
白狐音(プロフ) - うわぁあぁっ小説凄く泣けました……っ！涙が止まりません……っ。言葉一つ一つが綺麗で……涙靜さんの小説が本当に好きですっ！今までありがとうございましたっ！涙靜さんは私が小説を書こうとしたきっかけの1人です…お疲れ様でした (2016年11月22日 23時) (レス) id: f523fec985 (このIDを非表示/違反報告)
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