66. ページ18
.
ウインターカップが終わるまでは波風は立てたくない。
とはいえ、このまま放置は出来ない。
『実弥!手を上げろ!』
手をピストルの形にして輪ゴムをつけ、試合後クタクタでベッドに横になる実弥に向けると、
心底面倒くさいです、という顔をして背を向けられてしまった。
『ちょっと!なんで背中向けちゃうのよ!』
「眠い。勘弁しろォ…」
本当に疲れてるんだな、まさか構ってもらえないとは。
だがしかし。このままでは私も眠れない。
真実を確かめる為に、私は実弥のベッドに横たわり、背中に指鉄砲を突きつける。
『動くな、1つだけ質問に答えろ。』
「めんどくせぇー」
『ウインターカップのこの大事な時期に貴様は彼女をつくったのか。』
「は?女なんかいねェよ。」
急に何だ、と体を反転させる実弥をぎゅっと抱きしめる。
「………どうしたァ?」
何も言わずに抱きしめる力を強めれば、頭を撫でられる。
___私以外の頭を撫でた手で。
『……………マネかわいいね、』
「あ?どの?」
『今日実弥と抱き合ってた。』
「抱き…ってンなんじゃねぇーよォ!」
あんだろ!試合の後のノリみてぇーなの!ウインターカップでそれどころじゃねェーよォ!等と必死に弁解してくる。
分かるよ。やっと勝ち取った、しかもウインターカップ出場が決まった瞬間。
テンション上がって抱き合うなんて事、あると思う。
でも、嫌なんだよ。
実弥が他の女の子に触れるのも触れられるのも。
じどっとした目で見ていれば、急に吹き出し、
嫉妬かァ?なんて笑い出すので蹴りを入れた。
そうだよ!嫉妬だよ!悪いか!
実弥が遠くに感じで、届かない所にいってしまいそうで怖くて堪らないんだよ!
「ってーなァ!何すんだよォ!」
ごめんね、そう言っキスすると大人しくなる実弥にもう一個お詫びにとリストバンドを差し出した。
.
215人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
京華(プロフ) - 完結までこっそり一気に読みたかったのに実弥site〜で吹いて咳込んでます…何故今まで気付かなかったのか…マネと居るから最低と思ってる私の気持ちの代弁ですか?折角クライマックス実弥sideを味わえなかったので恨み節で愛あるコメントしときます♡ (2023年2月6日 0時) (レス) @page34 id: 9cf14e7eab (このIDを非表示/違反報告)
あさひゆうひ(プロフ) - 沙希さん» 私には勿体ないお言葉の数々…ありがとうございます!もうどんなお話を書いたか忘れてしまいましたが…笑 お気持ちとっても嬉しいです! (2022年3月10日 22時) (レス) id: 9c7376e839 (このIDを非表示/違反報告)
あさひゆうひ(プロフ) - 深澤辰哉のげーせんさん» お返事が遅くなってしまってすみません。完結して随分経つお話に…ありがとうございます!とっても嬉しいコメントですが…寝てください!笑 今後も無理のない範囲で頑張ります! (2022年3月10日 22時) (レス) id: 9c7376e839 (このIDを非表示/違反報告)
沙希(プロフ) - きゅんきゅんが止まりませんでした!❤一回しか押せないのが悔しくて連打したいくらいです!作者様の描く不死川さん大好きです! (2022年3月9日 22時) (レス) @page41 id: b306c5df41 (このIDを非表示/違反報告)
深澤辰哉のげーせん(プロフ) - ガチ主様天才作者だなと思ったら、あのあさひゆうひ様ではないかと!!歓喜一憂しております笑 毎回面白すぎて寝るの遅くなりますわ笑笑 応援してます!頑張ってください!! (2022年3月8日 1時) (レス) @page44 id: f1b58a28d0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ