風柱とズルい継子の関係。【不死川実弥】

30.ドコでナニして ページ30

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自分ばっかり逢い引きなんぞ楽しんでやがる師範(悪口)にあっさりと売られた私は、呪詛の言葉を吐きながら、無一郎くんの任務のお供をした。


……………した、のだが。



『この任務、私要らなかったと思う』



だって鬼が出てきたと思ったらさー、目にも止まらぬ速さでさー。


無一郎くんがあっさり頸斬ってた。(白目)



恐れながらお館様、今回の私の責務は「霞柱の話し相手」という理解でよろしかったでしょうか？←



「思ったより手応え無かった。わざわざ不死川さんから借りてきたのに」



鬼の血を払い、綺麗な所作で刀を鞘へと収めながら、無一郎くんは抑揚の無い声でそんな感想を述べた。


いやいや「わざわざ」って言うほど手間は掛けてないよね。師範へのクソ雑な声掛けひとつだったよね。



それにしても、正直助かった。

昨日は宇髄さんの職務放棄のせいで、柱へのカウントダウンが進んじゃってたし。



「他の鬼の気配も無さそうだし………僕はこのまま、警備しながら帰るけど」


『いやほんと柱って働き過ぎ』



無一郎くん、そもそも休みじゃなかった？
まあそんな柱を尾行に付き合わせてた私も私だが。



『……それじゃ、私はこれで失れ、』


「何言ってるの？」


『ぐえっ……！』



ひと足お先に帰ろうと踵(きびす)を返した私の襟元は、ものすごい力で後ろから引っ張られた。待っっって潰れたカエルみたいな声出た。



「僕をあのくだらない尾行に付き合わせといて、自分はとっとと先に帰ろうとか。どういうつもり？」


『くだらなくないもん！』



そもそも無一郎くんの任務に借り出されたから、その尾行は失敗に終わったっていうのに！


尾行、と思い出して、思わず眉が寄った。

師範め………あれからあの女の人と、ドコでナニしてやがったァ……！



「般若みたいな顔っていうのかな」


『お年頃の乙女に向かって般若て』



薄々気づいてたけど、無一郎くんて静かに罵倒してくるよね。



「別に、帰ってから自分で聞けばいいでしょ。不死川さんに直接」


『直接……』



ナニしてたんですか、って？
え。「ナニしてた」って返されたらどーすんの？？

いやあの師範がそんな話するワケないが。



「変なの。そんなに気にしてるくせに」


『やっぱ柱っていっても、14のお子ちゃまにはまだ女性の心の機微なんてわからな、………ごめんごめんまじでごめんて！………ぐえっ！』


「うるさい。さっさと行くよ」



刀を抜きかけた無一郎くんに謝り倒せば、やっぱり襟元を掴まれ、連行された。


ひよ

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