40. ページ41
.
『……煉獄さん、私……』
「……不死川を好いているんだろう?」
『え…』
____違う。
私は、煉獄さんが好きで、好きで。
何度抑えつけても気持ちが溢れてきて、耐えられなくて。
だから、恋文まで書いたんだ。
私が好きなのは煉獄さんただ一人だ。
不死川さんは…、
色々な事が重なって、勘違いで。
長く一緒に居たから情が移っただけ。
そう、否定したいのに……出来なかった。
今さっき煉獄さんの告白を受けたというのに。
頭では否定しているというのに。
気づけば、『ごめんなさい。』と口にしていた。
「……………そうか。……すまない!俺も試すような事をした。」
『……試、す……?』
煉獄さんは何も言わずにニカリと笑った。
その顔を見ているとやはり彼の事が好きだと思う。
でも、それは
以前のようなモノではない。
変わらない、変わりたくないと思っていた煉獄さんへの恋心は性質を変えてしまったのだと漸く認めた。
そうして、その瞬間。
私の初恋は終わりを告げた。
『………私、煉獄さんの事が好きでした。煉獄さんの笑顔に何度救われたか分かりません。』
「そうか!それは嬉しいな!」
『煉獄さんは……私にとって太陽のような人でした。貴方が居たから、貴方が見守ってくれたから、貴方に恥ずかしくないように、必死に生きてきました。……でも……。』
「うむ!人に魅せられる事は理屈ではない!」
気に病む事はない、
煉獄さんは、少し眉を下げながらも私が大好きな笑顔を向けてくれた。
私が中途半端だったから…
不死川さんだけでなく煉獄さんにも思わせぶりな事をしてしまった…
『煉獄さん……その、本当に、ごめんな…』
「謝るな!俺はAが幸せならそれで構わない!」
豪快に笑う煉獄さんにどう返していいのか分からないでいると、笑い声がピタリと止まり、彼は声色を変えた。
「A、笑ってくれ。俺は君の笑顔が好きだ。君が笑顔でいられるのなら隣が俺である必要はない。」
___優し過ぎるのは時に残酷だ。
身勝手な私をいっそ罵ってくれれば少しは気持ちが楽になるのに…。
『煉獄さん、ありがとうございました。お気持ち、本当に嬉しかったです!』
最後に煉獄さんが好きだと言ってくれた笑顔を作った。
ぎこちなく、下手くそに笑う私に煉獄さんも太陽のような温かい笑顔を向けてくれた。
さようなら、ありがとう。
貴方に恋をした事を誇りに思います。
次に会う時は涙を見せずに笑いますね。
.
370人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あさひゆうひ(プロフ) - 京華さん» ナニシテンノ?おめめ心配。寝ろ寝ろ寝ろ。 (2月5日 5時) (レス) id: 62b927337a (このIDを非表示/違反報告)
京華(プロフ) - 初コメント失礼致します(いやこれ何でコメントしてないの?え?読んでたよね?と困惑。バグってんの?まぁいいや←)一気読みしてしまいました。惚れてくれてる実弥イイ!笑いながら読んじゃいました。眠いのに実弥熱が沸き起こって眠れないけど寝ます。また書いて。 (2月5日 1時) (レス) @page50 id: bb9635485e (このIDを非表示/違反報告)
あさひゆうひ(プロフ) - なおさん» 完結して随分経つ話にコメントありがとうございます!とっても嬉しいです!鴉たち頑張りましたー! (2022年7月28日 23時) (レス) id: 62b927337a (このIDを非表示/違反報告)
なお - 鴉すごっ!天才やん そしてあさひゆうひさんもこのお話を考えれるなんて天才だよー 天才過ぎてヤバイ 不死川さんたちお幸せに!! (2022年7月26日 22時) (レス) @page50 id: ee464fdcd2 (このIDを非表示/違反報告)
あさひゆうひ(プロフ) - 環さん» 環ちゃん!久しぶり…!まさか読んでくれたとは!!!オチを書きたいだけのお話でした。コメントありがとう!とっても嬉しかったです♥ (2022年4月7日 23時) (レス) id: 9c7376e839 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ