事情により風柱と恋仲になりました。

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『＿＿＿＿＿へ？』

「む！聞こえなかったか！ならば何度でも言おう！俺はAを女性として愛している！」



間抜けな顔で煉獄さんを見ていれば、
周りの人が思わず振り返る程の声量できっぱりと言い切った煉獄さん。


余りに突然の出来事に口をぱくぱくと開閉させていると、
私の頭を優しく撫でた後、俺はここで降りると何事もなかったかのように煉獄さんは扉へ向かった。


何か言わなくてはと思うのに、言葉が続かない。
軟語しか出てこなくなってしまった私に煉獄さんはニカっと効果音がつきそうな爽やかな笑みを浮かべた。



「余り気は長くはない！次に会う時に返事を聞きたい！」



最後に死ぬんじゃないぞと言い置いた煉獄さんに私もなんとか彼の身を案ずる言葉を紡いだ。



『れ、煉獄さんもお気をつけて！』



うむ！と手を上げ列車から降りる煉獄さんを見つめる。



好きだな。その笑顔も。
その髪も目も、凛と立つ姿勢も。



でも、伝えられなかった。
即答……できなかった。



それは、今現在実弥さんと恋仲だから。
ここで返事をするのはあまりに失礼で不誠実だから。



そう、後から付け加えるように理由をつけた。



そんな理由では、
あんなにお慕いしていた方に好きだと、愛しているとまで言われたのに…



頭の中が煉獄さんではなく、
実弥さんばかりなのが説明出来ないというのに。




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