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阿部「入って」
川島「阿部くん、ここでどうしたの?大丈夫?」
阿部「俺は元気だから、心配しないで。ちょっと相談したいことがあって、来てもらったんだよね」
川島「俺が分かる範囲で答えるね」
お互い椅子に座って、向かい合う。
言葉を選んで、ゆっくり話し出す。
阿部「いきなりなんだけど、ある人の人生を狂わせてしまったということが分かったとして、それをその人に伝える時って、どんな感じで伝えればいいと思う?」
川島「ある人の人生を狂わせてしまった時…?」
阿部「相手を必要ないことに巻き込んでしまって、その人の人生を悪い方向に変えてしまったことに気づいた時、どうしたらいいんだろうって」
少し考えてから、如恵留が聞く。
川島「相手って、どんな人?」
阿部「すごく大切な人。家族と同じくらい大切で、長い時間を一緒に過ごしてきて、これからもそうしたいなって思ってる人。今の関係を壊したくはないけど、それは無理だよね。とっても優しい人なんだけど」
川島「一緒に過ごしてきた時間が長いんだったら、阿部くんも十分優しいってこともきっと知ってるから、2人きりの時にそっと切り出してみたらいいんじゃないかな。俺が言うのもあれだけど、そんなことで恨まれたりとか嫌われたりとかはしない気がする」
阿部「そうなのかな…」
川島「伝えないっていう選択肢はないでしょ?」
阿部「うん」
川島「それなら一歩踏み出さなきゃ、いつか」
阿部「…明日、伝えようかな」
川島「いいと思う。そういうのは早い方がいい気がするし」
阿部「すごく抽象的な話、聞いてくれてありがとう」
川島「阿部くんの話の具体的な内容って、俺が聞くべきものじゃない感じ?」
阿部「相談乗ってもらったんだし、ちゃんと話すよ」
川島「俺が踏み込んでもいいこと…?」
阿部「聞いたら気持ちが重くなっちゃうかもしれないけどね」
川島「…覚悟持って聞くね」
阿部「分かった、ありがとう」
如恵留の優しさに、心が感動でいっぱいになった。
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