あさやけだんし2 Y.Takaki

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消えかけた言葉。







言い切るか、言い切らないか、








涙がこぼれた目を覆うように、







光「あー…ごめんね、今日は俺が連れて帰るわ。





お前もちょっと頭冷やせよ。」






とっさに光くんが私を奪い取って話を遮った。









雄也「だから聞こえねーの？





お前は黙れって。返せよ。」







普段は絶対にこわいことをしない雄也が、




見たことない表情で、光くんの胸ぐらを掴む。








返してって、




自分からあの日離したの、雄也。








光「あのさぁ、俺のこと殴るのはほんとどうでもいいのまじで。





…いい加減わかれよー…」








光「泣いてるから。Aが。




わかってんの？またお前が泣かせたんだからな？」








でも4年前はそうするしかなくて、







雄也「わかってるわんなこと、だから」








光「ほら、ね。




だからじゃねーんだよ…」







光「ねぇ、なに言ったとこで先にいなくなったのそっちだから。」








光「4年間ほったらかしにしたのも、




いきなり帰ってきて泣かせて、それでもいいってなんだよ。




受け止めるつもりで戻ってきた？





…なのになんで泣かせるのかなぁ、」







「…ひか、」








光「ごめん。わかるよ、でもまたお前が泣かすなら、」








…








光「俺にAちゃん守らせてよ、雄也。絶対泣かせないから。」





…言わないつもりだったのにさぁ、ふざけんなよー…






口悪く言った彼から、





私の知ってる光くんの面影が一瞬消える。






光「…ま、とりあえず頭冷やしとけなー？





あ、啓介と一緒にすんなよ。」









私を彼から奪い取るように引き寄せた光くん。





雫が伝う髪をかきあげることもできない雄也に、柔らかく笑いかけた。








…









「ひか、」







光「んー？どうしよっかぁ。どこいこっか、




今めっちゃ心臓ばくばく言ってんだけどどうしよう奪っちゃったよー…」








彼の優しさに耳を傾けながら、




振り向けないくせに、





追いかけてこないんだって頭のどっかで思う。






子供みたいな泣き顔で、お兄ちゃんみたいに微笑みかける彼を見上げた。







「わかんない、」






…ふぁ、っ






…







光「うん。まず寒いよねぇ、うちこよっか。」







「…でも、」







光「いいよ、全然。今日めっちゃ汚いけど覚悟してね。」









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