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.
…
……
雄也「おー…コウ。」
雄也「かわいー。うとうとしてる」
隣でごにょごにょと呟くこうちゃんの声と、布団が動く気配。
「…ん、?」
…寝れてないのかな、
私がお布団に入ったときと同じ格好で、こうちゃんの隣にいた雄也。
抱きついてきたこうちゃんをぎゅーって抱きしめて、
お布団をかけ直して、
彼越しにはうっすらと浮かぶ朝日を。
雄也「お。…Aちゃん。
お前もかわいいよ、寝ぼけた顔もあいかわらず。」
「なにー…」
雄也「んー?」
囁くような掠れた声。
それがカーテンからこぼれる光よりも、ずっとあったかくて、
「…もー…ばか。」
”あいかわらず”
こんなに愛おしい言葉だったっけ。
となりで小さな寝息を立てる彼みたいに、おふとんを首元までかけたときそう思う。
「…雄也だって、あいかわらず。」
雄也「そうかぁ?
こう見えて色々考えてるんだけどなぁ…」
目を細めて笑いながら、
私の前髪に手を伸ばして、そっと触れる彼の仕草。
”ねぇ、あの日の朝もそうだったの?”
「…寝れなかった?」
んしょ。
私は寝返りをして、手のひらをゆっくりな寝息のおでこに。
雄也「下がった。焦ったよな、急に熱出すんだもん。」
「…光くんはー?」
雄也「なんか落ち着かないって、結局ソファで寝てるよ。」
「そっか。」
雄也「…まぁ、なんつーか…」
雄也「…別に寝てないわけじゃねーけど。
お前の寝顔見てたら寝てらんねー」
「うそ。昨日いびきかいて寝てたくせに。」
雄也「あー…ばれた?」
うんうん。
目をつぶるようにまた眩しく微笑んだ彼。
と、
…また咳。
「昨日からしてる。風邪引いちゃったかな、」
雄也「いや、大丈夫っしょ。」
「ばかだから?」
雄也「そう、バカだから。って喧嘩売ってんの?」
「売ってる。」
雄也「はぁ?」
目を合わせて、
ふたりでくすくす笑って、
雄也「…A、」
「…?」
雄也「なぁ遠いわ。もっとこっちきて。」
…ふいに訪れた沈黙に。
「だって、こうちゃ」
雄也「いいから、」
身を起こした雄也が、おでこにキスをした。
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にゃん(プロフ) - すごくお待たせしてしまったにも関わらず、真っ先にコメントをくださってありがとうございました。こつこつと頑張りますので、これからもよろしくお願いします。 (2020年12月9日 22時) (レス) id: e86491d17c (このIDを非表示/違反報告)
あも ?(プロフ) - 更新待ってました!にゃんさんのペースでお話進めて頂けたらうれしいです、これからも楽しみに待ってます◎ (2020年11月21日 21時) (レス) id: 43b06d43a4 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - いのりさん» お返事も、更新も遅れて申し訳ありません。あさやけへのコメントもすごく嬉しかったです!これからいろんな展開が巻き起こる予定なのですが、変わらずに応援して下さるとありがたいです。これからもよろしくお願いし致します! (2018年1月13日 13時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
いのり - にゃんさん!更新してくれてありがとうございます!にゃんさんの作品はとてもわくわくしてリアルで自分が本当に夢主にはなった気がします!にゃんさんのペースでいいので頑張ってください(^^) (2017年12月20日 17時) (レス) id: 333c8aa74a (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 美咲さん» お久しぶりです!変わらずコメントを下さり、ありがとうございます。あさやけでは切ない場面が続いてしまい、私らしい作品がわからなくなってしまったのですが、もう振り切りつつ復活します!笑 丁寧に1つずつ書いていけたらいいな、今後ともよろしくお願いします! (2017年8月10日 21時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃん | 作成日時:2017年5月4日 16時