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私にコンビニの袋を渡したあと、
そーっと襖を開けて、隣にちょこんとあぐらをかいて、
雄也「汗かいてんぞ、これ着替えさせねーと…」
ぎこちなく、起こさないようにお布団をめくった雄也。
光くんはダイニングテーブルによりかかって、
面白いものを見ているかのようにコーヒーを。
「雄也もアイスコーヒーでいい?コーラ?」
雄也「…おー…」
ねぇ、…どっちー?
そんな彼を、キッチンで冷蔵庫を開けながら問いかける。
大きくてごつごつした手が、
おでこに触れて汗を拭う仕草。
雄也「なぁ子供ってこんな熱くなるもんなの?
俺今日は酒飲んでねーし車飛ばして病院」
光「もう、焦りすぎ。
…今日は宏樹たちと?」
雄也「…そー。嫁さん紹介しろって言われたわ。
なーんでこーゆーのだけは覚えてんだか…」
…え。
その言葉に、
氷を入れたグラスにコーラを注ぐ手が止まった。
光「嫁さん?」
…雄也といると、
雄也「ん。そ、」
心がざわざわと波音をたてて、どうしようもなく泣きたくなる。
雄也「祭りで会ったときAのこと嫁って言った。
いや、まさか覚えてるとはさ。」
4年間頑張ってたことが、
全部なかったことになっちゃいそうで、
崩れちゃいそうで、
「…はい、雄也。私がみてるから」
ことん。
話の続きから逃げるように、テーブルにグラスを置いて雄也と入れ違いにこうちゃんの元へ。
光「…へぇー。」
振り向けない声色のなかで感じ取った少しの棘。
一瞬小さく咳払いをして、
それ以上はなにも聞こうともしない光くんの声。
…
光「Aちゃん、」
「…ねつ、下がらない」
さっきまで雄也がいたところに座って、
おでこに手を当てる。
「…こうちゃん、」
…どうしよう。
泣く。がまん。
光「ねぇA、」
ちょうど背を向けてグラスを掲げた雄也と、
私をじっと見据えた光くん。
「さっき貼ったばっかりなのにな。ひかるくん、」
雄也「どした?A。」
光「あー…A、落ち着こっか一旦。」
小さく灯りがついただけの空間から、
「…も、できない」
ずっと我慢してた涙がこぼれた。
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にゃん(プロフ) - すごくお待たせしてしまったにも関わらず、真っ先にコメントをくださってありがとうございました。こつこつと頑張りますので、これからもよろしくお願いします。 (2020年12月9日 22時) (レス) id: e86491d17c (このIDを非表示/違反報告)
あも ?(プロフ) - 更新待ってました!にゃんさんのペースでお話進めて頂けたらうれしいです、これからも楽しみに待ってます◎ (2020年11月21日 21時) (レス) id: 43b06d43a4 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - いのりさん» お返事も、更新も遅れて申し訳ありません。あさやけへのコメントもすごく嬉しかったです!これからいろんな展開が巻き起こる予定なのですが、変わらずに応援して下さるとありがたいです。これからもよろしくお願いし致します! (2018年1月13日 13時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
いのり - にゃんさん!更新してくれてありがとうございます!にゃんさんの作品はとてもわくわくしてリアルで自分が本当に夢主にはなった気がします!にゃんさんのペースでいいので頑張ってください(^^) (2017年12月20日 17時) (レス) id: 333c8aa74a (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 美咲さん» お久しぶりです!変わらずコメントを下さり、ありがとうございます。あさやけでは切ない場面が続いてしまい、私らしい作品がわからなくなってしまったのですが、もう振り切りつつ復活します!笑 丁寧に1つずつ書いていけたらいいな、今後ともよろしくお願いします! (2017年8月10日 21時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃん | 作成日時:2017年5月4日 16時