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.
”A、……”
…ん。
「ゆうや、？」
…いま、
ぎゅーって優しく抱きしめられた感覚。
聞いたことないくらい、いまにも泣きそうで寂しげな声と、
ずっと寝てていいよって言われているみたいな暖かい手。
おなかにそっとかけられたバスタオル。
ドアが静かに閉まる音でやっと目を開けた。
…
空は星空でいっぱいで、入り江のように綺麗なこの空間。
堤防に座りながらただ海をじっと見つめていた雄也の横顔を、
…
雄也「お、起きた？」
「…うん。」
なぜか引きずってしまうからどうしても声がかけられなくて、
私はバスタオルを握りしめながら、ひとり車のそばで立ち竦む。
”…さっきなんて言ったの？”
なんて、たった一言なのに。
雄也「まぁよーく寝てたわお前。いびきかいてたよ」
「うそ！」
今にも崩れそうななにかが、
とうとう壊れてしまう気がして聞けない。
雄也「うそ。」
目を細めてこっちおいでって微笑む仕草に、子供のように彼の元に駆け寄った私。
「ばーか。」
雄也「お前見るといじめたくなんの。」
ねぇ、雄也。
壊れないなら、
これからもこうやって笑いあえるなら、
上手に隠せるかはわからないけど、がんばってなかったことにできるよ。
ずっと抱いてる恋心も、
さっきのことも今日あったことも全部。
雄也「見てー。ここ俺の秘密基地ー。」
両手を大きく広げて、星がいっぱいの空を仰ぐ彼の姿。
雄也「ここに女連れてきたのお前が初めてだよ。」
「なにそれー…ありがちなやつ。」
雄也「はは、ほんとほんと。」
「ほんとー？じゃあ、はじめてだね。」
雄也「…だな。」
雄也「な、Aちょっと話あるんだけど聞ける？」
…でも雄也はきっと、
「ん？ねーおなかすかない？」
雄也「いや、なぁって。」
「美味しいラーメン屋さん行きたいなぁ。そうだ、そもそもここどこ？」
雄也「Aー、」
きっと雄也は、とっくに限界だったんだね。
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にゃん(プロフ) - かえるさん» コメントありがとうございます。雄也くんらしさって、言葉にしてしまうと冷たく感じられてしまいがちで、不器用な優しさですよね。過去編では切ないばっかりでしたが、2ではしっかりきゅんにします！笑 これからも、よろしくお願い致します。 (2017年5月4日 16時) (
レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - レイナさん» コメントありがとうございます。そとづらから引き続き読んでくださってるのがすごく嬉しかったです！なるべく頻繁に更新できるよう、頑張りますね。またいつでもコメントお待ちしております。2も、引き続きよろしくお願い致します！ (2017年5月4日 16時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - コメント失礼します。とってもキュンキュンするのに、切なくて泣いてしまって。雄也くんらしいな〜と楽しく拝見させていただいています。 これからも楽しみにしてます。 (2017年4月23日 23時) (レス) id: 740f5ed62d (このIDを非表示/違反報告)
レイナ(プロフ) - そとづらだんしに引き続きあさやけだんしもダイスキな作品です！！にゃんさんのペースで更新頑張ってください！！どんなに時間経っても更新楽しみにしてます！！！がんばってください！ (2017年4月23日 19時) (レス) id: 2b8f700843 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 美咲さん» お久しぶりです。ずっと前にコメント下さっていたのに今になってしまってごめんなさい。ちょっと考えてしまうことがたくさんあったので、やっぱり頑張ろうと思えました。これからも丁寧に書いていきます。よろしくお願い致します！ (2017年4月16日 19時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃん
| 作成日時：2016年10月24日 23時
