あさやけだんし Y.Takaki

… 41 ページ41

.







…







ちゃんと、わかってたの。








だってあのときやきもちだったらいいなって思って、




どうしていいかわからないって雄也に言われたんだよ。









雄也「考えたんだけどさ、」







…だけど、








雄也「やめようかこんなの。もう俺無理だわ。」








どこかでこの関係は終わらないって思っていて、





幼稚な私はなんとなくでもずっと一緒にいれると思ってた。









止めてくださいって思った瞬間に、時が止まっていてくれればよかったのに。








雄也「お前が今まで通りって言うならって思ったけど、




出来るわけねーよばかだもん俺。」









話してることと真逆の、落ち着きなく私の背中をさする仕草。





順番にいっこずつ優しい声で話す口調。









雄也「…さっきしたことをなかったことにするくらいなら、




こんな関係は続けてちゃいけないと思う、し、やめたい俺は。」









いつからこんなにも仕草ひとつひとつを刻み付けるように、





彼を見ていたんだろう。









「…やめたい、って」









雄也「んー…これからもお前の近所の兄ちゃんでいてやるよ。







でもな、もうそれ以上でも以下でもないってこと。








こうやって連れ回せないし、うちにももう来ちゃだーめ。」








雄也「あーまぁ彼氏できたら相談くらいは乗ってやるよ。」









…いつか来なきゃいけなかったその瞬間が、





とうとう来てしまったんだとしたら。








雄也「ん。だから今日でおしまい。





早く俺じゃないの見つけて幸せにしてもらいな。」









いっそ、私から終わらせよう。








当たり前だった朝の風景も、





私の分のアイスも。







.

… 42→←… 40

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す