… 30 ページ30
.
…
あの人たちがそそくさと逃げるように去っていったあと。
未だ隣で私の肩を抱きすくめる彼が放った第一声は、
雄也「ほれみろ。」
サングラス越しでもわかるくらい、その背中を鋭く睨みつけながら。
「…ほれみろってなんだし。
ほんと雄也がこわくてよかったよかった。ありがとー。」
無理やり上げられたジッパーに、
フードを被らされたかっこで体育座り。
もぐもぐとやきそばを頬張ってお礼をする私。
雄也「はいはい。感謝しとけ、
だーからんなもん着てくんなって…」
…かっちん。
「雄也。」
雄也「なに、」
「ねー…まだそれ言う？」
この人今日一日中ずーっとそんなことしか言わないんだけど。
空を仰ぐように後ろに手をついた彼。
かったるそうにサングラスを外しながら言い放ったその言葉に、
「助けてくれたのはありがとうだけど…そこまで言わなくていいじゃん。」
雄也「そこまで言うわ。
だいったいここなんてそんな野郎しかいねーってわかってるから言ってんの。
…置いてった俺もわりーけどさぁ」
なに考えてるのかわかんないその横顔に。
「そうだよ。雄也が置いてったし戻ってくるの遅いし。
…どーせ自分もかわいいお姉さんに声かけてたんでしょ？」
なんなの、もう。
幼稚な私は自分の感情でいっぱいいっぱいで、
言っちゃいけないこと言ったって、そのあとで気付く。
雄也「は？もう一回言ってみろよ、
…しょーがねぇじゃん焼うどん売ってねぇし。何件はしごしたと思ってんの。」
「…」
雄也「おい、A」
「…なに。」
雄也「あーもういいよ。お前はそのぶさっさいくな面してやきそばでも食ってろ。
…俺また泳いでくるからそこらへんの男について行きたきゃ勝手にどーぞ」
「ばーか。」
雄也「聞こえてんぞばか。」
だいっきらい、この人。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3616人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にゃん(プロフ) - かえるさん» コメントありがとうございます。雄也くんらしさって、言葉にしてしまうと冷たく感じられてしまいがちで、不器用な優しさですよね。過去編では切ないばっかりでしたが、2ではしっかりきゅんにします！笑 これからも、よろしくお願い致します。 (2017年5月4日 16時) (
レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - レイナさん» コメントありがとうございます。そとづらから引き続き読んでくださってるのがすごく嬉しかったです！なるべく頻繁に更新できるよう、頑張りますね。またいつでもコメントお待ちしております。2も、引き続きよろしくお願い致します！ (2017年5月4日 16時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - コメント失礼します。とってもキュンキュンするのに、切なくて泣いてしまって。雄也くんらしいな〜と楽しく拝見させていただいています。 これからも楽しみにしてます。 (2017年4月23日 23時) (レス) id: 740f5ed62d (このIDを非表示/違反報告)
レイナ(プロフ) - そとづらだんしに引き続きあさやけだんしもダイスキな作品です！！にゃんさんのペースで更新頑張ってください！！どんなに時間経っても更新楽しみにしてます！！！がんばってください！ (2017年4月23日 19時) (レス) id: 2b8f700843 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 美咲さん» お久しぶりです。ずっと前にコメント下さっていたのに今になってしまってごめんなさい。ちょっと考えてしまうことがたくさんあったので、やっぱり頑張ろうと思えました。これからも丁寧に書いていきます。よろしくお願い致します！ (2017年4月16日 19時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にゃん
| 作成日時：2016年10月24日 23時
