あさやけだんし Y.Takaki

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雄也「うーんまっ」





「うまー。はい、胡麻和え。」





雄也「ん。からあげ。」






…こいつ。






私の家の味付けの甘い卵焼き。





雄也のお箸があんまり進まない胡麻和え。






雄也「てか…お前俺のサングラスでいたずらしねーの。




童顔に似合わなすぎ。」






彼から奪い取って暗くなった視界の先には、





おにぎりをもぐつきながら、気に入らなそうにする雄也の表情が写って。






「へへ、たのしーい。」






私も頬張りながら微笑むとバツの悪そうに彼も笑う。







一緒にお弁当を食べるの、はじめてだね。






雄也「…かき氷でも食う？なんか買ってくるよ、」





「食う！」





雄也「じゃー…なにがいいの、」





よっ、





そう私に問いかけながら、お財布を片手に立ち上がる雄也。






「ん。」





あっさりと取り上げられたサングラス。






「あ、やきうどん！」





雄也「やきうどんー？まだ食うのかお前は。




…てかそもそもあんのかなそんなの、」





「どうかなー…」





ぼそっと呟いた彼がいってらっしゃいって手を振る私に背を向けて、




騒がしい人混みの中に消えてった。






…









「ねぇ、あそぼーよ。」





「…いや、」





いきなり声をかけてきた2人組の男の人。





…しつこいし、こーゆーノリ嫌い。





背伸びして大人っぽい水着なんて買うんじゃなかった。






「ほんと、そーゆーのちょっと…」





うっとおしいです。




もう雄也はやく帰ってきてよー…






「えーいいじゃん友達は？」





「えーっと…」






友達というよりなかなかいかつい付き添いが…









雄也「A、」





…





息を切らした彼のびっくりしたような焦ったような声。





「…おそい。」





雄也「わりー。




なに。こいつになんか用？」





長めの金髪の髪はおんなじ。




腰ではいたような海パンも、遊んでそうな話し方も同じ。





…だけど、






雄也「Aごめん焼うどんやっぱねーよばか。




ほら焼きそばでも食っとけ」






「…ありがと。」






誰よりもかっこよくて、男らしくて、




私を守ってくれる人。






すっごい変な会話なのにドスが効いて聞こえるのも雄也らしくて。







雄也「ごめんこいつ彼氏持ちだから帰ってね。」






隣にあぐらをかいてどかっと座った彼が、当たり前のように私の肩を引き寄せた。








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