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「…なにそれ。」
「勝手だよ、そんなの。」
もしこれが4年前だったら、
今すぐにこの石段を駆け下りて、泣きながら彼に抱きついてたりするのかな。
「…だって、
いきなりいなくなっちゃったの、雄也なのに、」
ずっと一緒にいた私たちにとってはあまりにも長くて、
航平「…んんー…」
雄也「コウー…どーした？」
…長くて、
雄也「どした、ここにいるって。大丈夫だから。
…ねーちゃんも泣きそうな顔すんなよ、」
「…してない。」
雄也「してんの。
わかるよ、変わんねーもんその顔。」
涙でいっぱいになった目。
ふいに溢れそうになったのを下唇を噛み締めながら逸らして、彼が私に呼びかける。
雄也「Aー。
んなとこ突っ立ってねーで、ほら。」
こっち来とけ、って。
「やだ、」
雄也「A。」
「…行きたくない、そっち。」
だって近くに行ったら、いなくなっちゃうじゃん。
手首で目を覆うように、
せめて声だけでも普通でいたくて。
雄也「は？今はあぶねーからさっさとこいって話。」
「わかってるよ。」
…
「…きらい、雄也。」
その声も、香水の匂いも、
変わらない仕草も全部。
雄也「嫌いでもいいから。」
真っ暗な視界で聞こえる彼の声。
階段を上るサンダルの音。
雄也「4年だろ？
…お前に男いたってなんもおかしくねーし、」
雄也「今みたいに泣かれるのも罵られるのも、
バカなりに全部覚悟して戻ってきたんだよ」
不機嫌と紙一重な雄也の困った顔。
涙がこぼれた私の手をとって歩き出した。
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にゃん(プロフ) - かえるさん» コメントありがとうございます。雄也くんらしさって、言葉にしてしまうと冷たく感じられてしまいがちで、不器用な優しさですよね。過去編では切ないばっかりでしたが、2ではしっかりきゅんにします！笑 これからも、よろしくお願い致します。 (2017年5月4日 16時) (
レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - レイナさん» コメントありがとうございます。そとづらから引き続き読んでくださってるのがすごく嬉しかったです！なるべく頻繁に更新できるよう、頑張りますね。またいつでもコメントお待ちしております。2も、引き続きよろしくお願い致します！ (2017年5月4日 16時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - コメント失礼します。とってもキュンキュンするのに、切なくて泣いてしまって。雄也くんらしいな〜と楽しく拝見させていただいています。 これからも楽しみにしてます。 (2017年4月23日 23時) (レス) id: 740f5ed62d (このIDを非表示/違反報告)
レイナ(プロフ) - そとづらだんしに引き続きあさやけだんしもダイスキな作品です！！にゃんさんのペースで更新頑張ってください！！どんなに時間経っても更新楽しみにしてます！！！がんばってください！ (2017年4月23日 19時) (レス) id: 2b8f700843 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 美咲さん» お久しぶりです。ずっと前にコメント下さっていたのに今になってしまってごめんなさい。ちょっと考えてしまうことがたくさんあったので、やっぱり頑張ろうと思えました。これからも丁寧に書いていきます。よろしくお願い致します！ (2017年4月16日 19時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃん
| 作成日時：2016年10月24日 23時
