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…
ざわざわと音を立てて上から吹き抜けるような風。
神社へと続く長い石段。
「ゆうやー」
雄也「ん?」
「ねぇ、おばけって信じる?」
吸い込まれそうなほど真っ暗なその空間に、一歩ずつ。
私が彼の数段先を駆け上がっていく。
雄也「んー…信じるか信じねーかっつったら信じてんのかなー、
でも怖いかどうかはまた別な気すっけど。」
「うん…そうかもね、」
なんとなくだけど、雄也が言いたいことわかる気がする。
理屈を信じることの否応と自然と抱く感情は別ってゆーか。
「あ、」
雄也「…なんだよ、」
「ねぇ雄也、見て。」
あっち。
そう小さく囁くように言って、
上の方を指差しながら彼のいる数段下を見下ろす。
雄也「…なんだよ。」
「…え、?雄也には見えないのかな…
あのね、上から誰か覗いてるの。」
雄也「やめろお前まじやめろ。」
声では私に怒りながら、
駆け寄って私の腕にしがみつく彼。
場に似合わない笑い声が響き渡って、
照れた表情を一瞬で消して。
危なっかしい子供にするみたいに、彼が私の背中に手を添えた。
…
雄也「で、なにすんの。」
「わかんない。んー…わら人形?」
雄也「はぁ?」
むかーしここに来たときも、2人ともきっとこんな表情。
ご機嫌で彼を見上げる私と、呆れたように優しく笑う雄也。
おばけ探しなんて、
今の私たちには口実にしても幼稚すぎるね。
雄也「ねぇだろー。」
「まぁ、うん。」
…ねぇっすよね。
「ん。じゃあ海見に行こ。」
雄也「海ー?明日行くじゃん。」
「いーのー。ここから見える海が好きだったの。」
隅にある大きな木の傍から見渡せる、広くて大きな海。
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にゃん(プロフ) - かえるさん» コメントありがとうございます。雄也くんらしさって、言葉にしてしまうと冷たく感じられてしまいがちで、不器用な優しさですよね。過去編では切ないばっかりでしたが、2ではしっかりきゅんにします!笑 これからも、よろしくお願い致します。 (2017年5月4日 16時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - レイナさん» コメントありがとうございます。そとづらから引き続き読んでくださってるのがすごく嬉しかったです!なるべく頻繁に更新できるよう、頑張りますね。またいつでもコメントお待ちしております。2も、引き続きよろしくお願い致します! (2017年5月4日 16時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - コメント失礼します。とってもキュンキュンするのに、切なくて泣いてしまって。雄也くんらしいな〜と楽しく拝見させていただいています。 これからも楽しみにしてます。 (2017年4月23日 23時) (レス) id: 740f5ed62d (このIDを非表示/違反報告)
レイナ(プロフ) - そとづらだんしに引き続きあさやけだんしもダイスキな作品です!!にゃんさんのペースで更新頑張ってください!!どんなに時間経っても更新楽しみにしてます!!!がんばってください! (2017年4月23日 19時) (レス) id: 2b8f700843 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 美咲さん» お久しぶりです。ずっと前にコメント下さっていたのに今になってしまってごめんなさい。ちょっと考えてしまうことがたくさんあったので、やっぱり頑張ろうと思えました。これからも丁寧に書いていきます。よろしくお願い致します! (2017年4月16日 19時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃん | 作成日時:2016年10月24日 23時