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…
雄也「Aいーよ、それ。
そこらへんに適当に置いといて。」
「ううん。すぐ終わるから、」
食べ終わったお皿をシンクに置いた雄也が、
話しかけながら後ろから髪をくしゃって撫でるのも、彼が私にするいつもの仕草。
「あ。包丁出てる。めずらしー…」
危ないから洗うな、置いとけって洗い物をしてるときいつもそう言うけど、
雄也「…それ何に使ったんだっけ、
あー酒飲むのにライム切ったんだわ。」
「なんだ、お酒ね。」
…こんな感じだから私がやらないとずっとやらないし。
「見て。きれいだね、ゆうやけ。」
さっき外から見えた、ここの蛍光灯の明かり。
雄也「日沈むの遅くなったな。」
彼が正面にある小窓に手を伸ばして、
私たちの間を吹き抜けていく夏の風。
「ゆーや、」
雄也「ん?」
「座ってていいよ?」
雄也「いや、いいよ。」
…そっか。
手伝ってくれるって訳ではないけど、絶対私の隣にいてくれるんだよね。
「なんか夏だね、もう。」
雄也「だなぁ。…夏かー…」
「夏といえば海とか、花火とか?」
雄也「海は明日行くじゃん?いっこクリアー。」
…?
いっこずつ、
「…うん、」
「あとは花火と、お祭り?は秋だね。
あとなんだろうなー…」
彼らしいような、らしくないようなくすぐったい会話。
雄也「まぁほかにもなんかありそーだけど。
できんのかな、らしいことひと夏で。なんだかんだできてなくね?」
「…ね。」
「できるのかなぁ。
ゆーや、叶えてくれる?」
とっさに出たその単語を、口にしてから後悔する。
ひと夏で、夏らしいことぜんぶ。
雄也「えー?
…んー。いーよ、おっけー任せろ。」
「じゃあ高校生の貴重な夏休み、雄也に託した!」
くだらなくて、意味のない口約束。
もう高校生だからわかってるよ。
雄也「彼女できたら即終了な。」
「…ばか。」
雄也「うそうそ。しばらく女はいらねーわ。」
ぐいーって背伸びをした彼があっけらかんとそう言った。
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にゃん(プロフ) - かえるさん» コメントありがとうございます。雄也くんらしさって、言葉にしてしまうと冷たく感じられてしまいがちで、不器用な優しさですよね。過去編では切ないばっかりでしたが、2ではしっかりきゅんにします!笑 これからも、よろしくお願い致します。 (2017年5月4日 16時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - レイナさん» コメントありがとうございます。そとづらから引き続き読んでくださってるのがすごく嬉しかったです!なるべく頻繁に更新できるよう、頑張りますね。またいつでもコメントお待ちしております。2も、引き続きよろしくお願い致します! (2017年5月4日 16時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - コメント失礼します。とってもキュンキュンするのに、切なくて泣いてしまって。雄也くんらしいな〜と楽しく拝見させていただいています。 これからも楽しみにしてます。 (2017年4月23日 23時) (レス) id: 740f5ed62d (このIDを非表示/違反報告)
レイナ(プロフ) - そとづらだんしに引き続きあさやけだんしもダイスキな作品です!!にゃんさんのペースで更新頑張ってください!!どんなに時間経っても更新楽しみにしてます!!!がんばってください! (2017年4月23日 19時) (レス) id: 2b8f700843 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 美咲さん» お久しぶりです。ずっと前にコメント下さっていたのに今になってしまってごめんなさい。ちょっと考えてしまうことがたくさんあったので、やっぱり頑張ろうと思えました。これからも丁寧に書いていきます。よろしくお願い致します! (2017年4月16日 19時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃん | 作成日時:2016年10月24日 23時