[マギ]闇色の刺客[シンドリア] (ページ7)

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:第六夜; ページ7

マスルールside

「マスルール!」

誰かに体を揺すられる
うっすら目を開けると夕焼け空とパパゴラス達とオラミー達と、

…困り顔のジャーファルさん

「まったく…もう夕方だよ?
王宮にいないから心配したよ」

「あれ…?」

あの人がいない

「どうかしましたか?マスルール」

「…あの、俺の近くに誰かいませんでした?」

ジャーファルさんは首を横に振った
ふと、手元を見ると一枚の紙が落ちていた

「……あ」

ひっくり返すと、俺とパパゴラス達が寝ている絵が描かれていた

「綺麗な絵ですね」

ジャーファルさんが覗き込んで感嘆の声をあげる
本当に描いてくれたんだな…

「誰か描いたんですか?」

…そういえば名前を聞いてない

「…オラミーの人」

なんですか、それ
とジャーファルさんが笑って立ち上がる

「さ、王宮に戻りますよ」

ジャーファルさんに促され、パパゴラス達を森に離して歩き出す

手の中の絵を見返した
端に今日の日にちが書かれていた

「良い人、だったな……」

王宮に戻ってみんなで夕食を食べる間、
"オラミーの人"の描いた絵の話題で持ちきりだった

「しっかし、本当に上手いなぁ」

王様が絵を見ながらうんうんと頷く

「ねぇマスルールくん、本当に名前聞いてないの?」

ヤムライハさんはオラミーの人が気になって仕方ない様子だ

自分自身、名前を聞かなかったことを後悔する

「はぁ、すいません」

「でもさぁ、絵を描くのが好きな人なら明日また森にくるんじゃないかな?」

「確かに、可能性はあるな」

ピスティとスパルトスさんの言葉に一人納得する

明日も何かをデッサンしに森に来るかもしれない

そんなことを考えていると、またヤムライハさんが近づいてきた

「ねぇ他にその"オラミーの人"についての情報はないの?」

少し興奮気味に聞いてくる
…出会ってもない彼に恋でもしているのだろうか
よくわからないが

「長い黒髪に黒い目、身長は王様より高いくらいだったっス」

他にはないの!?
と腕にしがみついてくるヤムライハさん
もう止めとけ!と先輩がヤムライハさんを引き剥がす

「…綺麗な人っス」

率直な意見

白い肌に黒い髪、声を聞くまで一瞬女性かと思った
中性的な顔立ち

その言葉を聞くと、ヤムライハさんは一段と目を輝かせた