【鋼の錬金術師】紅き新世界への国 (ページ4)

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第二話・３人の錬金術師ページ4

男を殴るように列車の一部が変形した。
それを避けようとした男は、体勢を崩し列車から落ちそうになる。
そして男は大きな悲鳴を挙げ、列車の上から落ちようとするその瞬間、

「危ない！」

少女の声。
今度は真っ黒少女が真っ黒の手袋をしている手を合わせ、右手を押し出すようにして右手と左手をこすり合わせた。

「な、なんだこれは……！」

そう男が言うのと同時に、ふわりと男の体は宙に浮く。まるで、下から風で押されるかのように。
その後男はゆっくりと下に、駅のホームに落ちていき、

「これで終わりだ」

赤コートの声がするとホームの床から青い光と共に柱が生えてきて、あっと言う間に男を囲み、やがて鳥かごのような形になった。
男は、鳥かごの中に閉じ込められる。

「ったく、手間かけさせやがって」

赤コートの少年がため息混じりに言う。
散らばっていた３人だが、すぐに一か所に集合していて、鎧に目立つ赤コートに真っ黒という異様な光景を周りに見せつけていた。

一時の沈黙の後、拍手と共に歓喜の声がホームに響く。
人々は３人を指さし、口々にこう言う。

「もしかしてアレが『鋼の錬金術師』じゃないか？」

「あぁ、確かに、鎧着てるもんな。たしかエドワード……とか言ったっけ？」

「じゃあ、あの女の子が『風の錬金術師』じゃないか？」

「ん？あのチビはなんだ？」

赤コートの少年が一度固まった。
鎧が、「兄さん……」と小声で呟くとほぼ同時に、

「誰が豆粒ドチビだーーーー！！」

赤コートの少年のが駅のホームに轟く。
それを聞いた、真っ黒少女は肩をすくめ、「全く……」と小声でつぶやく。

赤コートの少年がさっきの叫びに続け、

「オレが『鋼の錬金術師』、エドワード・エルリック、で。あっちの鎧が弟のアルフォンス・エルリック！二人合わせてエルリック兄弟」

怒りを押さえつけながらも、丁寧に解説した。

「そして――」

少年が続けようとしたが、真っ黒少女にが口を開く。

「そして！私が『風の錬金術師』A・ハームビュッヒェン」