7話 ページ8
テント越しの光が眩しい。朝だ。
髪の毛を手櫛で整えて、テントを開けた。
「おはよう。A。」
『おはようございます。理鶯さん。』
理鶯さんは鍋で何かを炒めていた。
『何作ってるんですか?』
そう言って鍋を覗き込む。
ぶつ切りの肉?のようなものが見える。
「朝ごはんに蛇の煮込みを作っているんだ。」
『へぇ〜。蛇の煮込みですか。って、へ、蛇?へびってあの蛇ですか!?ニョロニョロの!!?』
「小官がさっき捕まえたばかりの新鮮な蛇だ。安心してくれ。」
絶句。鶏肉に見えたのに。まさかの蛇…。
『あ、あのー。……ち、ちなみに昨日のスープは….何のスープだったのでしょうか?』
もう食べてしまったので聞いても遅いのだが、興味本位で恐る恐る尋ねてみた。
「あぁ、昨日のはタランチュラのクリームスープだな。」
『た…タランチュラ……??!』
テレビや図鑑でしか見た事のない生き物を食べてしまったのか。
しかし、おいしかった。でもタランチュラ…。
「よし!できた。Aも食べてくれ。」
そう言って笑顔で蛇の煮込みの入ったお皿を私に渡す。
トマトで煮込まれているのか、匂いはいい。
蛇…。でも、命の恩人理鶯さんの好意を無下にはできない……!
『い…いただきまーす』
おそるおそる一口。
『……おいしい!!』
蛇であろう肉は柔らかくて癖がなく、サッパリとした味だ。トマトの酸味とよく合っている。
『理鶯さんは料理上手ですね!』
そう笑顔で伝えると少し照れくさそうにしていた。
蛇スープを食べていると森の奥から人がやってくるのが見えた。
「り、理鶯さん奥から誰か来ます…!」
例のヤクザかと思って思わず理鶯さんの後ろに隠れた。
831人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:( ・ω・) | 作成日時:2018年11月14日 17時