26話 ページ27
無事に間に合い、業務を終えた。
夕方からはイケブクロに移動してメイドカフェのバイトだ。
時刻は17時。夕方から夜にかけてはバータイムで照明も少し暗くなり、お酒も提供している。
隅の方の席で本を読んでいる一郎さんを発見した。
「一郎さん、こんばんは!何読んでるんですか?」
「これ?さっき買った最新刊のラノベだよ。最近忙しくて久しぶりに来たんだけど、Aちゃんに会えてラッキーだ!」
そう言ってニカッと笑う。
「そういえば前話してた人探し?どうなったんだ?」
フッと左馬刻さんの顔がよぎった。
『あ、もう大丈夫です!気にかけて頂いてありがとうございます。』
「そっか!なにかあったらいつでも言ってくれ!俺、Aちゃんの力になりたいからさ。」
一郎さんは面倒見が良くて、情に熱い。弟さんが2人いると聞いたことがあるが、弟さん達にとって一郎さんは、きっとすごく頼りになるお兄ちゃんなんだろう。
((誰からも慕われている一郎さんは嫌いな人とかいるのだろうか…。))
想像できない。
『あの〜。さっきの話とは全然関係ない事聞いてもいいですか?』
「ああ、なんだ?」
「一郎さんって嫌いな人とか苦手な人っていますか…?」
「嫌いな奴かー。別にいない………いた。顔も思い出したくなくて忘れてたくらい嫌いな奴が。」
一郎さんの様子がいつもと少し違う。
少し殺気立ってるように見える。
『そ、そうなんですね!すみません。変なこと聞いてしまって!紅茶のおかわり持って来ますね!』
Aは慌てて話を終わらせた。
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作者名:( ・ω・) | 作成日時:2018年11月14日 17時