10話 ページ11
「テメェ父親の他に家族いねーの?」
銀髪赤目のヤクザがタバコに火をつけながら私に問いかける。
『………ほ、本当のお父さんは知りません。お、お母さんには小さい頃から虐待されていました。…でも、今のお父さんがきてからお母さんは優しくなって3人で仲良く暮らしていました。だけど、なぜかまた虐待が始まって…。お父さんは私を守ろうと必死になってくれて、お母さんとよく喧嘩をしていて、そのうち母は家に帰ってこなくなりました。兄弟はいません。血の繋がらないお父さんだけが家族です…。』
沈黙が流れる。
自分で話していて悲しくなった。私って必要とされていないのか。むしろ邪魔な存在なのかな。
孤独。孤独。孤独。
「行くとこないんだろ?お前。ウチ来いよ。」
『け、経営してる裏風俗の事ですよね?絶対!!!嫌です!!!!!』
「さ、左馬刻そんな事してるのか?!」
「っるせーな!!銃兎!!!してねーよ!!!…テメェわかんねぇのかよ。俺の家で暮らせって言ってんだよ!!!」
『は…?』
ヤクザと一緒に暮らすの?無理無理怖い。遅かれ早かれ殺される?
『いや、いいです…。働きながらネットカフェにでも泊まります…。』
左馬刻はイラっとした顔をして、タバコを捨てて靴底で火を消す。
「テメェの事、他の組にも追いかけてるヤツがいる。俺だったらそいつらを止められる。お前が1人で行動してる以上いつ襲われるかわかんねーぞ。」
『…。』
たしかにこの人はヤクザの中でもそこそこの地位なのかもしれない。でも、でも、でも…。
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作者名:( ・ω・) | 作成日時:2018年11月14日 17時