ヤドリギになりたい。「紫」 ページ2
.
《 彼女はジャニーズ 》
そんなキャッチコピーにAを世間は放ってはおかず、彼女は俺達よりも沢山の仕事量をこなしていた。
ライブ、ドラマ、舞台、CM、モデル。
この前はファッションショーに招待されたとかで、海外に行っとった。
『おっはーーー』
「おはよってか、久しぶり」
『…ひっさ〜……寝るわ。』
「うん、肩貸す？」
『ありがとう、要らん！』
移動車でまっさんの肩によりかからず、そのまま帽子を深くかぶって眠ったA。
「………。」
Aは限界感じると、ああやって1人の世界に入る。
たま〜に甘えても、リチャ君が1番で、誠也君かまっさん。
俺ら、年下組には全くこーへんてか、特に俺にはこない。
前に一度だけその話をしたら、『小島はリーダーやからな〜』とわけわからん答えが返ってきた。
少しだけ寂しいのが正直な気持ち。
「A！そこ違う！」
『すみません！』
「これで何回目？ちょっと休憩してろ」
『……ッはい、』
「A、さっきからコードミスってる。」
『え、ごめ、』
「……弦張り直してき？」
『………うん』
Aは、ダンスレッスンもバンド練も空回りだった。
「ん、ほれ」
あったかいペットボトルを彼女の頬にあてる。
『え、小島？もう弦なら大丈、』
「ここ最近あんま寝てへんやろ。」
『え』
「クマ」
『ん？熊？がおーってちょっと！なに！？』
無理やり、持ってたギターを奪う。
「寝ろ」
『寝ろって、アンタ、うわ！』
驚くAを無視して、俺がAにしたのは膝枕やった。
「寝れるやろ？ぬくもりが一番や」
『…なにそれ笑』
「はい、ちょっと寝ましょうね〜」
『ムカつく笑』
さっきよりも柔らかく笑うAにホッとする。
「寝にくい？大丈夫？」
『…小島が優しい』
「残念やな、いっつも優しいわ」
『…そう、やんね』
「うわ、素直」
『おま、』
「はい、ねんね〜〜」
『…………小島、』
「ん〜？」
『ありがと』
いつもより素直に眠りについたA。
この件から少しだけやけど、俺の肩で眠ることが増えた。
A、小島にはツン95％デレ5％くらいの割合、だけど、そのデレ5%がかなりやばいという噂。
「あ、この前Aん家行ったで？」
プライベート鬼謎のA家に！？とザワついたライブ会場とメンバー一同。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 243人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みみ | 作成日時：2023年10月26日 0時
