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50 Silk side ページ32

─Silk side



家に帰ると電気はついてなくて、しん と静かだった。居ないのかと思ったけれど靴はそのまま。


リビングの電気を付けて荷物を置いて寝室を覗くと布団には既にぽんの姿があって最近忙しそうにしているのを思い出した。

持ってたコンビニの袋をそのまま冷凍庫に突っ込んで風呂場へと向かう。




風呂から出て、やっぱり顔が見たくなって寝室に入って枕元に座る。リビングから漏れる光が微かにぽんの寝顔を照らす。


「……かわいい」


横向きになって、気持ち良さそうに眠る顔は少し幼く見えて、薄く開いた唇がなんだか可愛くて、人差し指で頬に触れる。


「ぅ…」


少しだけ身じろぎしてまた規則的な寝息をたてる。自然と、自分の頬が緩むのがわかった。


「…しるく」


じーっと見ていると微かに聞こえた俺の名前。
目は閉じられていたままなところを見ると、寝言。


寝言なのに、名前呼ぶとか…
顔が熱くなって はあ、 とため息をつく。



「可愛すぎんだろ、ほんと。」


髪を撫でてやると彼女の口元が少し嬉しそうに上がる。どんな夢、見てんだろうな。明日聞いてみっかな。


「おやすみ、A」


少しだけ名残惜しく感じたけれど、明日もある。
買ってきたアイスを一緒に食べて聞いてやろう。



Aはどんな顔をするんだろう。

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作者名:yuyu | 作成日時:2018年5月20日 3時

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