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─Peketan side



「なんでそんな言い方するの!?」
「だから!!話聞けって!!」



マサイの家でシルク、ンダホ、俺、ぽんで遊びに来ていた。ぽんはマサイと隣の部屋で話をしていたはずだったんだけど、急にそんな声が聞こえて三人で顔を見合わせた。


「え、」
「待って、ドッキリ?」


俺がそう言ってカメラを探そうとした瞬間、顔を真っ赤にしたぽんが部屋から出てきて俺たちを見ることもなくマサイの家を出て行った。


「…俺行くわ」


シルクが血相を変えてぽんの後を追うように家を出ていく。ぽんのことは大丈夫。


「マサイ」
「……わりぃ」


マサイは苛立っているような、悲しそうな顔だった。編集部屋の扉が閉じられて、ンダホと二人顔を見合わせる。


ぽんとマサイが喧嘩をするなんて今まで見たことがなかった。


シルクと喧嘩をしたり軽い口喧嘩はたまにある。
酷い時はマサイの家に逃げているのも知っていた。


だから、マサイとぽんが喧嘩をするなんて考えてなかった。
いつも笑ってぽんに寄り添うマサイしか見てこなかった。


「マサイ、大丈夫かな」
「…大丈夫じゃないでしょ、相手が相手だし」
「だよなあ」


ンダホが心配そうにドアを見つめるから居てもたってもいられなくて、マサイ と名前を呼んでドアを叩いた。


「ちょっと、いい?」
「…おう」


返事を聞いてドアを開ける。俺を見たマサイの目には少しだけ涙が浮かんでて、「やらかしたわー」と情けない顔で笑った。


「何があったの?」
「ぺけ、これ知ってる?」
「え、なに?ぽんと、」
「エイジ。この前飲み行ってたらしくて、まあ…盗撮、だよなあ。出回ってんの、今」
「炎上してる?」
「いや、そこまでじゃない…」
「でもまあ、距離が近いよね。それで?マサイ何か言ったの?」


自分の携帯をテーブルに置いて「まあ、」と口ごもるマサイ。


「当てようか」
「えっ」
「お前誰でもいいの?…とか」
「…すげーよ ぺけ」
「実はさ、俺も高校の時言ったことあるんだよ。シルクのこと好きなはずなのに彼氏作るぽん見て。その時は泣いてたけど。」


あの時、Aは“くやしい”と泣いていた。
シルクに彼女が出来るたびにAにも彼氏が出来ていたんだ。

「その時、こいつはずっとシルクに囚われて生きていくのかなって思った。…自分のこと見失ってた。」




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作者名:yuyu | 作成日時:2018年5月20日 3時

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