手紙〜30〜 ページ5
夜の10時。
静まり返ったベランダ。
今日は星が本当に綺麗で流れ星がときどき見れるくらいだった。
いつもならユウキを誘ってここで星を二人で見ていたのかもしれないが今はそれどころでは無い。
セーラの手紙...今まで私はこの手紙の存在に気づけていなかった。
セーラに本を返されたのは作戦決行日の前日だったし、
帰ってきてからも本を読む心の余裕はどこにも無かった。
読むしか......ないよね？
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親愛なるAへ
えーっと、こんにちは！
Aに手紙を書くなんていつぶりだろうね。
明日はいよいよ作戦決行日だね！Aはこの日のためにいろいろ頑張ったよね。
作戦をたてたり....資料を作ったり....本当にお疲れ様。
えっとね、なぜ突然手紙を書いたかというと、2つAに伝えたい事があったからです。
まず1つが、Aが頑張りすぎではないか、ということ。
最近休みの日でも仕事したりしてたでしょう？
朝は早く起きて町の掃除...それから夕方まで仕事や訓練をして、夜は資料の片付け。
あんまり無理はしないで。
兵士長が病気になったら大変でしょう？
そして2つめはAへの感謝。
Aが兵士長になってから、憲兵団は変わったと思う。
本当にありがとう。
カレンもね、尊敬してたよ。Aのこと。
「兵士長は立派な人だ。これから一生ついていく！」ってね。
これからも立派な兵士長でいてね。私も出来ることは何でもするよ。
それから最後に一つだけ。
ユウキ君のことちゃんと大切にしてあげて。
ユウキ君は本当にAのこと大切にしてるよ。だっていつもAのこと、キラキラした瞳で
話すから。
この本、ユウキ君からもらったんでしょ？Aがちゃんと読みやすい本だったね。
だから、感謝の言葉を忘れないで。
A、これからも親友としてよろしくね。
私はAとずっと友達でいたいと思ってるよ。
作戦、終わったらお茶でも飲もう。クッキー作ってあげるから。
セーラ・ハリスキー
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作者名：星空燈佳 | 作成日時：2016年3月12日 22時
