第十一話 ページ17
部活とはいえ、そう毎日ゲームをするわけではないらしい。
というのは、サーブ練習が始まった時になんとなく察した。
私が見学に来たのは、ルールを知ったばかりだから、その好奇心が理由だったけど。
予想に外れて、基礎的な練習であろうものをする彼らの姿を、黙って見つめる。
残念に思わないでもなかったが、仕方ない。
し、よくよく考えれば動画サイトでも、
どこかしらの練習試合でも構わないと思い直せば、そっと銀髪を探した。
『(…あ、居た。)』
上から見まわすと、直ぐに宮君は見つかった。
あの日、私を見つめていた時とはまた違う、真剣な瞳。
揺れる、さらさらの髪。
逞しい体付き。
ボールを打つ、大きな手。
『(──格好いい)』
自然と、息を吞む。
その姿に魅入ってしまって、それと同時に、理解した。
彼の人気の理由を。
ああ、こうやって、見に来る人たちを虜にしているんだろうと。
そう、半ば確信してしまう程に、バレーをする彼は格好良くて。
何だか、寂しいような、虚しいような気持ちになった。
『(本当に、私を好きで居てくれてるのかな。)』
一目惚れ、だから。
彼は私の中身を、好きになってくれたわけじゃなくて。
それなら、ほとんど話したこともない私のことなんて、いつ好きじゃなくなるかもわからない。
元から、錯覚、勘違いだったのかもしれない。
668人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
宮兄弟推し - 推し=恋愛対象の人間です。宮兄弟ガチ恋勢(わい)には、たまらん作品です。ありがとうございました! (5月18日 20時) (レス) @page28 id: e2e9177bef (このIDを非表示/違反報告)
風矢@二次元待ち(プロフ) - とても幸せな小説でした。おつかれさまです! (2023年2月21日 15時) (レス) @page28 id: 8fd965734e (このIDを非表示/違反報告)
にゃん吉(プロフ) - 胸がギュンってなりました🤦♀これからも応援してます!更新頑張ってください🙇🏻 (2022年11月23日 3時) (レス) @page21 id: 4862dc7ef3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:音琥 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/jjijwihief/
作成日時:2022年11月19日 18時